「のれん代」という言葉をニュースなどで聞く機会が増えている。最近はM&Aなどの企業買収が頻繁に行われるようになり、株式投資で利益を上げていくためには「のれん代」を理解することが重要となっています。
ここでは「のれん代」についてみていきたいと思います。
⇒【M&Aの詳細を解説】
目次
「のれん代」とは?純資産価値以上の金額で買収した際に発生。
「のれん代」とは、企業の純資産価値よりも高い金額で買収した場合の差額のことを指す言葉です。たとえば、純資産100億円の会社を110億円で買収した場合には、差額の10億円が「のれん代」となります。
ではなぜ企業は「のれん代」を支払ってまで、企業価値である純資産以上の金額で買収を行うのでしょうか?企業には、数値ができずに貸借対照表にはのってこない知名度、ブランド力、技術力などさまざまな価値を保有しています。
そのため企業買収を行う企業は、それらの貸借対照表にはのらないが、収益面で貢献できると判断した場合には、純資産価値以上の金額で買収を行うことがあるのです。近年は企業買収が一般的に行われるようになり、純資産以下あるいは純資産価格に近い価格で企業買収を行うことがほぼ不可能となっており、ほとんどの企業買収において「のれん代」は発生しています。
⇒【TOBの詳細を解説】
「のれん代」は貸借対照表・損益計算書上ではどのように処理・計上されるのか?
企業買収によって「のれん代」が発生した場合には、貸借対照表の左側である資産の、無形固定資産の「のれん」として計上されます。そのため、企業買収を繰り返していくと、「のれん」の金額は大きくなっていく傾向があります。
では「のれん」の会計上の処理はどのようになるのでしょうか?これは少しややこしいのですが、会計基準によっては「のれん代」は貸借対照表だけでなく、損益計算書にも関係してきます。
⇒【損益計算書の見方を解説】
「のれん代」日本基準と国際会計基準(IFRS)による償却の違いとは?減損処理とは?
日本基準を採用している企業の場合は、「のれん代」は企業買収後20以内に消却していく必要があります。「のれん代」の償却は損益計算書に費用として計上され、また「のれん代」の価値がないと判断された場合には、特別損失として減損処理を行う必要があります。
国際会計基準(IFRS)や米国会計基準を採用している企業の場合には、「のれん代」の償却の必要はありません。しかしながら、「のれん代」の価値がないと判断された場合には、営業損失として減損処理を行う必要があります。
最近では巨額買収を行う企業が増えてきており、その場合は「のれん代」も大きくなります。国際会計基準(IFRS)を採用する企業が増えている理由には、「のれん代」の償却が必要ないということが大きいです。
「のれん代」の詳細をわかりやすく解説まとめ
企業買収が活発に行われる中では、「のれん代」を理解することは株式投資を行う上で重要となってきます。会計基準による償却の有無については、かなりややこしいとは思うので、詳細まで理解する必要はありませんが、「のれん代」の概要だけは理解しておいて下さい。
「のれん代」が貸借対照表に多く計上されている企業は、業績悪化によって多額の減損処理を強いられる可能性があるため、そこに注目していくことも重要です。
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