私たち投資家が株式投資を行う際には、証券会社の口座に現金や株式を預けることになります。
証券会社が倒産した場合、私たちが預けている現金や株式はどうなるのか、気になったり不安になったりしないでしょうか?
バブル崩壊後には大手の金融機関の倒産もあり、証券会社の倒産が全く起こらないとは言い切れません。
ここでは証券会社が倒産したらどうなるのか、をみていきたいと思います。
目次
分別管理制度とは?証券会社が倒産しても現金や株式は安全?
証券会社は投資家から預かった現金や株式・債券などの有価証券は、証券会社自身の資産と完全に分けて管理することが、金融商品取引法で定められています。
これを分別管理制度といいます。
万が一証券会社が倒産しても、分別管理が行われている限りにおいては、投資家の資産は守られており、証券会社に対して返還請求を行うことが可能です。
でももし、分別管理が行われていなかったら、投資家の資産は守られないのでしょうか?
⇒【株式投資の真実とは】
日本投資者保護基金とは?補償限度額や対象となる取引は?FXや仮想通貨も対象となるのか?
もし倒産した証券会社が投資家の資産の分別管理を行っておらず、投資家の資産が返還されない場合に備えて、日本投資者保護基金が発足しています。
日本投資者保護基金は、投資家の保護と証券取引に対する信頼性の維持を目的とし、金融商品取引法に基づき1998年に設立された法人で、全ての証券会社の加入が義務付けられています(2017年3月末時点の会員数は256社)。
2016会計年度末における、投資家保護資金の残高はおよそ573億円に達し、これは投資家保護活動のために必要な金額とされる500億円を上回っています。
日本投資者保護基金が補償する上限金額は1,000万円となっています。
保護の対象はプロの投資家を除く一般の投資家、保護する対象は株式、債券、投資信託、証拠金や金銭と定められており、FX取引(外国為替証拠金取引)や仮想通貨取引は対象外となっています。
過去の補償実績としては、2000年に南証券の顧客に対し約35億円、2012年に丸大証券の顧客に対して約1億72百万円と、二度の補償実績がありあす。
個人投資家ができる証券会社の倒産リスク対応策は?
万が一に備えてリスクを減らしたいのであれば、一つの証券会社に1,000万円以上の資産は持たずに、複数の証券会社の口座に入れたほうが良いでしょう。
最近ブームとなっている仮想通貨取引でも、ようやく分別管理制度は始まったものの、株式取引のように投資家保護の制度は出来上がっておりません。
株式取引市場においては長年の取引の実績とはバブル経済崩壊の経験により、日本の主要証券会社や大手金融機関破綻の経験により、投資家が安心して取引できる制度や法律が整っています。
まとめ
投資家の資産は、証券会社による分別管理制度と投資者保護基金による補償の二重の制度によって保護されており、株式投資において証券会社が倒産した際のリスクは比較的低いと言えます。
ただ万が一に備えて、できるのであれば1つの証券会社の口座には1,000万円以上の資産を置いておかないほうが良いでしょう。
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