カブドットコム証券、株価上昇・下落の可能性。KDDIが559円でTOBを発表、上場廃止へ。

KDDIは2019年2月12日、カブドットコム証券に出資することを発表しました。2019年4月下旬から約30営業日、1株当たり559円でTOB(株式公開買い付け)を実施します。出資額は最大で約914億円で、出資比率は約49%となります。

カブドットコムの2月12日の株価は前日比▲5円(▲0.9%)の529円で取引を終了しており、KDDIのTOB価格は5.7%高い水準となっています。

ここではカブドットコム証券の株価の値動き、KDDIのTOBについてみていきたいと思います。

⇒【TOBの詳細を解説

カブドットコム証券の株価の値動き 

2018年のカブドットコム証券の株価は、400円前後で横ばいとなっており、方向感のない展開でした。12月25日には年初来安値となる349円を付け、2019年に入っても300円台後半での値動きでした。

ところが1月24日にKDDIのTOBの噂が流れると、カブドットコム証券の株価は一気に上昇。1月31日には年初来高値となる547円を付けています。

⇒【TOBの目的や株価への影響は?

カブドットコム証券のテクニカル分析 

テクニカルには株価が一気に上昇したことで、移動平均線は全て上向きとなっています。短期の移動平均線が長期の移動平均線とゴールデンクロスを完成しており、上昇に向かいやすい形状とはなっているものの、KDDIのTOBというファンダメンタルによって株価が上昇していますので、下落に転じた際の下げ幅も大きくなる可能性があり要注意です。

KDDIのTOB正式発表によって年初来高値を更新していくのか、それとも「噂で買って事実で売る」の展開で下落に転じるのか注目です。

⇒【窓、窓開け、窓埋めの詳細を解説

KDDIのTOB 

KDDIは子会社としてLDF合同会社(以下LDF)を設立し、カブドットコム証券のTOBを行います。2018年9月30日時点でのカブドットコム証券の株式保有割合は、三菱UFJ証券が52.96%、三菱UFJ銀行が6.31%となっていますが、LDFのTOB実施後は三菱UFJ証券が51.00%、LDFが49.00%となる予定で、カブドットコム証券はTOB成立後、上場廃止となる見込みです。また社名も2020年3月末までに「auカブコム証券株式会社」に変更する予定となっています。

引用:KDDIプレスリリース

⇒【TOBをする側のメリット・デメリットとは?

カブドットコム証券の株価は上がる? 

KDDIによるカブドットコム証券のTOBは全株式ではないものの、大株主である三菱UFJ証券が51%の株式を保有する意向であることから、市場から全ての株式を買い付けすることとなります。

つまりはKDDIのTOBに応じれば必ず559円で売買が成立することとなり、現在の株価の水準であれば株主にとっては応じるメリットがある状況です。すでにKDDIのTOBの噂を織り込んで547円まで上昇していることから、TOB価格の559円まで上昇する可能性は低いのではないかと思われます。

万が一TOB価格を上回ってしまった場合には、KDDIは価格の見直しが必要となります。

⇒【友好的TOB・敵対的TOBの詳細を解説

まとめ 

カブドットコム証券の株価はKDDIのTOBの噂で大きく上昇していましたが、ついにTOBが正式に発表されました。TOB価格は2月12日終値対比5.7%のプレミアムとなっており、今後の株価の推移にも注目していきたいと思います。

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