中小証券会社の東郷証券がFX取引において発生した顧客の損失を補填した疑惑が浮上し、証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反の疑いで調査をはじめました。
証券会社が顧客の損失を補填するのは極めて異例のケースとなりますが、その目的は大口の顧客離れを防ぐことが考えられます。ここではその詳細についてみていきたいと思います。
東郷証券が顧客の損失を補填
東郷証券はFX取引で損失を出した顧客数十人に対し補填したと見られています。個人に対する損失の補填は、社員に明かな責任がない限りは金融商品取引法で禁止されており、それに抵触した形です。
今回さらに悪質なのは、損失補填の原資が架空の外部委託費が当てられていたことです。もしこれが事実だとすれば、会社の幹部が関わって組織的に不正が行われていたこととなり、重い処分が下されそうです。
東郷証券が損失補填した目的
ユーザーの立場からすれば損失補填は非常にありがたいことですが、東郷証券はなぜ損失を補填したのでしょうか?まだ詳細が明かになっていないため、ここからは推測になってしまいますが、大口の顧客離れを防ぎたかった可能性が高そうです。
証券会社は顧客が売買した手数料で収益を上げていますので、顧客が離れてしまったら収益は下がってしまいます。東郷証券は手数料の範囲内で補填するのであれば短期的にはメリットが無かったとしても、長期的に取引を継続してくれれば手数料で回収することができます。
東郷証券の決算
東郷証券の2018年3月期決算は、営業収益が約35億8,000万円、営業利益が約8億2,000万円となっています。今回損失を補填した顧客がどの程度を占めているのかはわかりませんが、少なくとも業績に影響を与える可能性があるような大口の顧客であったことが高いと言えるでしょう。
まとめ
東郷証券が顧客の損失を補填した疑いで強制捜査が入りました。今後詳細は明らかになってくると思われますが、損失補填の目的は大口顧客を確保しておきたいという意図があったと思われます。
証券会社の損失補填のニュースは異例であり、どのような処分になるのか注目です。
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