企業の株式を東京証券取引所(東証)などに上場させるためには、厳しい基準をクリアする必要がありますが、上場後も一定の基準を維持する必要があり、維持できなかった場合には上場廃止となります。
ここでは東証一部・二部の「上場廃止基準」と上場廃止のステップについてみていきたいと思います。
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株式の流動性についての基準
上場企業の株式は流動性を保つために、以下の上場廃止基準が設けられています。
■株主数 400人未満(猶予期間1年)
■流通株式数 2,000単位未満(猶予期間1年)
■流通株式時価総額 5億円未満(猶予期間1年)
■流通株式比率 5%未満(猶予期間なし)
■売買高 最近1年間の月平均売買高が10単位未満、または3ヶ月売買不成立
会社の業績についての基準
上場企業の連結貸借対照表が債務超過の状態となった場合において、1年以内に債務超過の状態でなくならなかった時は上場廃止となります。
2018年には東芝が債務超過により上場廃止の懸念がありましたが、資金調達を子会社の売却益によって債務超過を脱し、上場を維持することができました。
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有価証券報告書提出についての基準
有価証券報告書または四半期報告書を法定提出期限の経過後1ヶ月以内に提出しない場合は、上場廃止となります。
もし有価証券報告書等の提出期限延長の申請を行い、承認を受けた場合には、当該承認を得た期間の経過後8日目(休業日を除外する)までに提出できなかった場合には、上場廃止となります。
有価証券報告書の虚偽記載
有価証券報告書の虚偽記載を行った、または監査報告書・四半期レビュー報告書に「不適正意見」「意見の表明をしない」等の記載がされた場合で、取引所が直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であると判断された時には上場廃止となります。
また上場契約に関する重大な違反を行った場合にも、上場廃止となります。
上場廃止のステップ
上場廃止基準に該当する懸念がある場合、その銘柄は「監理銘柄」に指定されます。その後上場廃止が決定した場合には「整理銘柄」に指定され、上場が廃止されます。
「監理銘柄」に指定されている時、また「整理銘柄」に指定されても一定期間は株式の売買を行うことは可能です。
まとめ
上場企業の株式には、上場廃止基準が設けられており、これらの基準に該当する懸念がある場合には「監理銘柄」に、上場廃止が決定した場合には「整理銘柄」に指定されます。
「監理銘柄」に指定される銘柄はそれなりにありますので、長期間株式投資を行っていけば保有している銘柄が指定される可能性はあるかもしれません。その際は冷静に対処することが重要となります。
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