静岡銀行・スルガ銀行のビジネスモデル比較。金融庁主導で買収・合併の可能性も?貸出先別金額、個人向けローン内訳、貸出金利の状況とは?

スルガ銀行の不動産向け不適切融資は1兆円規模にのぼると言われ、今後多額の貸倒引当金を計上し、債務超過に陥る可能性が指摘されています。

金融庁からの行政処分を受けるのは確実あり、スルガ銀行は自力での再建は難しく、他の銀行に買収・合併される可能性もあるかもしれません。

ここでは買収先として最有力とされている静岡銀行とスルガ銀行のビジネスモデルを比較していきたいと思います。

⇒【スルガ銀行株価はどこまで下落するのか?

静岡銀行、スルガ銀行の時価総額・自己資本・当期純利益の比較。 

まずは現実的に静岡銀行がスルガ銀行を買収・合併する可能性があるのか見ていきたいと思います。

2018年8月24日終了時点での静岡銀行の時価総額は5,886億円、スルガ銀行の時価総額は1,309億円と、時価総額では静岡銀行が約4.5倍となっています。

スルガ銀行の株価はここ最近急落しているので、今後時価総額はさらに開く可能性があります。

2018年3月期の静岡銀行の自己資本は8,979億円、スルガ銀行の自己資本は3,386億円と、自己資本では静岡銀行が約2.6倍となっています。

しかしながら、スルガ銀行はシェアハウス不適切融資問題で今後貸倒引当金を計上する可能性が高く、自己資本の差はさらに開く可能性が高いです。

2018年3月期決算の当期純利益は、静岡銀行が501億円、スルガ銀行が69億円と、静岡銀行が約7.2倍となっています。

2019年3月期決算見通しの当期純利益は、静岡銀行が520億円、スルガ銀行が250億円と、静岡銀行が約2.1倍となっていますが、こちらもスルガ銀行の貸倒引当金積み増しによって差が開く可能性が高いです。

これらの数字から判断すると、静岡銀行がスルガ銀行を買収してもおかしくはないと考えられるでしょう。

⇒【売上総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率を解説

静岡銀行、スルガ銀行の貸出先別の比較は? 

次に静岡銀行とスルガ銀行のビジネスモデルの違いを、貸出先別からみていきたいと思います。

貸出金額合計では、静岡銀行が8兆2,875億円、スルガ銀行が3兆2,459億円と、静岡銀行が約2.5倍となっています。

貸出先別でみると、静岡銀行は法人向け貸出が57.8%と過半数を占めるのに対して、スルガ銀行の法人向け貸出は9.9%と非常に低い数値となっています。

スルガ銀行は個人向け貸出の割合が90.1%と異常に高く、これはスルガ銀行が個人向け不動産融資という独自のビジネスモデルを開拓してきた結果が表れています。

⇒【スルガ銀行不適切融資は1兆円では済まない!?

静岡銀行、スルガ銀行の個人向けローンの比較は? 

続いて個人向けローンに絞って、静岡銀行とスルガ銀行の比較をしていきたいと思います。

個人向けローンの金額は、静岡銀行が3兆1,158億円、スルガ銀行が2兆9,259億円と、ほぼ差がありません。

有担保ローンと無担保ローンの内訳をみても、有担保ローンが両行とも90%前後、無担保ローンが10%前後とこちらもほぼ同じ割合となっています。

有担保ローンは主に住宅ローンや不動産投資向け融資であり、両行とも金額ベースでは同じレベルとはなっていますが、全体の貸出金から考えると、スルガ銀行がいかに不動産向け融資を積極的にやってきたのかがわかります。

⇒【株式投資で億り人達成のコツや方法とは?

静岡銀行、スルガ銀行の貸出金利の比較は? 

最後に銀行の収益に直結する貸出金利についてみていきたいと思います。

2018年3月期の静岡銀行の平均貸出金利は1.14%なのに対して、スルガ銀行は3.52%と静岡銀行の約3.1倍という水準になっています。

静岡銀行の貸出金利は他の地方銀行と同じレベルであり、スルガ銀行の貸出金利がいかに高いかがわかります。

これはスルガ銀行が4.5%という高い金利で個人向け不動産融資を積極的に進めてきた結果が表れています。

また無担保ローンが高金利で貸出できている点も、平均貸出金利上昇に寄与していると言えるでしょう。

静岡銀行は過去2年間で平均貸出金利が低下しているのに対して、スルガ銀行は高い水準でありながらも上昇している点も、注目に値します。

⇒【スルガ銀行、抱き合わせ融資で独占禁止法違反?

静岡銀行・スルガ銀行のビジネスモデル比較まとめ 

静岡銀行の貸出先は法人と個人のバランスが良く取れていますが、スルガ銀行は90%が個人向けと極端に偏っていることがわかりました。

スルガ銀行の個人向け融資のほとんどは不動産ですが、不適切融資の影響で金融庁から新規融資は禁止される可能性が高いです。

そうなるとスルガ銀行は収益の柱を失うこととなり、今から法人向け融資に力を入れていくのも簡単ではなく、大幅な収益低下は免れないでしょう。

もし静岡銀行がスルガ銀行の買収を検討するのであれば、そのような状況のスルガ銀行を欲しいと思うのかは疑問が残ります。

ただ地方銀行全体の経営状況が厳しい中では、金融庁は合併を進めていきたい意向があり、強引に静岡銀行とスルガ銀行を合併される方向にもっていく可能性はあるかもしれません。

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