カゴメが伊藤園のトマトジュース製法に関する特許が無効だと訴えていた訴訟で、カゴメが勝訴したことが2018年6月27日判明しました。競合他社である両社は、どのような内容で争っていたのでしょうか?
ここでは訴訟内容の詳細や、敗訴を受けた伊藤園の株価・業績への影響についてみていきたいと思います。
目次
カゴメが伊藤園に勝訴。トマトジュール製法特許についての訴訟。その詳細とは?特許庁の判断は?
伊藤園は2013年、トマト以外の果汁や野菜汁を配合しなくても、濃厚な味わいやフルーツトマトのような甘味を再現でき、酸味も抑制できるとして特許を申請しました。カゴメは「濃厚な味わい」「甘味」「酸味」の定義が曖昧だとして、伊藤園の特許の無効を主張しました。しかしながら特許庁は2016年5月に伊藤園の特許は有効との判決を出しました。
カゴメは特許庁の判決を不服として、2016年6月に知財高裁に提訴。ここでは一転してカゴメの主張を指示し、伊藤園の特許は無効との判決が出ました。その後伊藤園が最高裁に上告しましたが、知財高裁判決を支持した形となっています。
今後特許庁がどのような判断をするかに注目です。
伊藤園「理想のトマト」販売の影響は?カゴメを含めた競合他社の動きは?類似品の製造・販売となるか?
伊藤園は2013年に取得した特許で「理想のトマト」という製品を販売しています。特許庁が伊藤園の特許を無効とすれば、今後競合他社が同様の製品を販売することが可能となり、伊藤園の売上に影響を及ぼす可能性が高いです。
カゴメはこの特許技術を使用した製品の製造・販売は行っていないが、業界の発展のために提訴したとしています。自社の製品に関係のないところで時間と費用をかけて、業界のために行動を起こすというのは、なかなかできることではなく、評価できるポイントです。
伊藤園の業績や株価に与える影響は?2018年7月以降株価上昇の可能性は?日足チャートテクニカル分析は?
伊藤園は今回の敗訴を受けて、株価にどのような影響を及ぼすのでしょうか?以下は伊藤園の日足チャートです。
伊藤園の株価は2018年に入って順調に上昇しており、6月15日には5,320円の高値を付けました。今回の敗訴のニュースを受けた株価への影響は特に見られていません。最終的には特許庁がどのような判断を下すか次第となり、短期的には今回の判決の影響ははかることが難しくなっています。また、競合他社が同じような製品を販売するのかも不明です。
テクニカルには2018年5月に10日移動平均線(ピンク色)と75日移動平均線(水色)、25日移動平均線(緑色)と75日移動平均線がそれぞれゴールデンクロスを完成し、綺麗な上昇トレンドを形成しています。引き続き上値を試す展開が続くと予想されます。25日移動平均線が位置する4,960円近辺が維持できれば、上昇トレンドは継続するとみてよいでしょう。
伊藤園2018年7月以降株価上昇の可能性まとめ
注目されていたトマトジュース製法についての訴訟は、カゴメが勝訴し、今後特許庁が伊藤園の特許を無効と判断するか、その発表を待ちたいと思います。現時点で伊藤園の業績や株価に対する影響はなさそうで、伊藤園の株価は上値を試す展開が続くと予想します。
カゴメは自社製品が関係ないにもかかわらず、業界発展のために訴訟まで起こすというのは、評価したいと思います。
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