日経平均株価などの単純平均株価方式の株価指数の算出には、「みなし額面」を採用しています。
これは以前の株式には額面というものが決まっていて、この額面の金額によって株価が大きく異なるため、銘柄ごとの株価水準を統一する目的です。
ここでは額面や「みなし額面」についてみていきましょう。
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目次
額面株式、無額面株式とは?4種類の額面は廃止に。
「額面株式」とは、企業が発行する株券に最初の株価が記載されていることをいいます。
額面の金額には、20円、50円、500円、50,000円の4種類があり、投資家はこの額面の金額で1株を購入することができました。
一方で額面の金額の記載がない株式のことを、「無額面株式」といいます。
以前は「額面株式」、「無額面株式」どちらでの株式発行も可能でしたが、2001年10月の商法改正によって額面株式は廃止され、無額面株式のみが発行できるようになりました。
既に発行済みの「額面株式」も「無額面株式」として再発行することが可能ですが、株券の回収の手間や再発行のコストがかかることから、再発行は行われないケースが多いです。
⇒【「額面株式」「無額面株式」を解説】
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みなし額面とは?日経平均株価算出には額面の変更を行う。
「額面株式」廃止以降も、株価の大小は額面によるところが大きく、額面が500円の銘柄の株価は額面が50円の銘柄の株価より10倍大きくなっていることになります。
日経平均株価などの単純平均株価方式を採用する株価指数では、株価の大小が影響してくるため、額面金額を50円に換算して算出することで、額面金額の違いによる指数への影響を排除しています。
既に「額面株式」は廃止されていることから、これを「みなし額面」といいます。
日経平均株価の採用株価 = 株価 X 50円 ÷ みなし額面
日経平均株価の算出に採用される株価は、「みなし額面」が20円の銘柄は2.5倍、50円の銘柄はそのまま、500円の銘柄は1/10、50,000円の銘柄は1/100の株価となります。
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額面株式廃止後に上場した銘柄のみなし額面はどうなるのか?
「額面株式」廃止後に上場した銘柄が日経平均株価などの株価指数の構成銘柄となった場合、「みなし額面」はどうなるのでしょうか?
日経平均株価の場合そのような銘柄は、算出を行う日本経済新聞社が総合的に判断して、「みなし額面」を決定します。
「サイバーエージェント」のみなし額面は250円に
2018年10月1日から「古川機械金属」に代わって「サイバーエージェント」が日経平均株価の構成銘柄となることが決定しました。
「サイバーエージェント」の「みなし額面」は250円となっています。
まとめ
「額面株式」の廃止後株券が電子化されたことにより、額面金額については目にすることもなくなったため、知らない人も多いと思います。
しかしながら、株価指数を計算する際には「みなし額面」の考え方は重要ですので、額面株式の歴史とともに理解しておくと、株価指数への理解も深まると思います。
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