先物取引という言葉は聞いたことがある人が多いと思いますが、どのようなものか理解していますでしょうか?
先物取引では株や為替、穀物などさまざまな商品が取引されています。
ここでは先物取引についてみていきましょう。
目次
先物取引の定義とは?歴史は1840年代のシカゴの穀物取引(CBOT)まで遡る。
先物取引とは、①決められた商品(原資産)を、②決められた将来の期日に、③合意した価格で売買することを約束する取引です。
先物取引の歴史は1840年代にアメリカのシカゴでのとうもろこしや大豆などの穀物取引にまで遡ります。
通常農家は春ごろの穀物の作付けを行い、秋に収穫を行いますが、先物市場ができるまでは秋になるまで穀物の販売価格が決まりませんでした。
豊作となれば価格は安く、不作となれば価格が高くなり、収穫時になってみないと価格がわからないというのはリスクが高いため、1948年にCBOT(Chicago Board Of Trade)という先物市場が誕生しました。
CBOTでは、①穀物を、②収穫後に、③合意した価格で売買するという取引が可能となりました。
CBOTの誕生により、農家は収穫後に全ての価格を決めるのではなく、作付け前や生育期間中にも先物取引で価格を決められるため、価格変動リスクを分散さえることが可能となりました。
⇒【株価変動の要因を解説】
株式の先物取引とは?大阪取引所の日経225先物取引やTOPIX先物取引など。
株式の先物取引は主に大阪取引所に上場しており、主な商品としては日経225先物取引、日経225mini先物取引、TOPIX先物取引、ミニTOPIX先物取引などがあります。
先物取引には取引期日である満期日が決まっており、満期日までに反対取引を行ってポジションを解消するか、満期日に決定される特別清算価格(SQ)で損益の清算を行います。
満期日が設定されている月を限月(げんげつ)といい、日経225先物取引では3月、6月、9月、12月の4限月が設定されており、満期日は限月の第2金曜日となっています。
先物取引では損益の差額のみ決済するのが一般的です。
またレバレッジを使用した証拠金取引であるため、少額の資金で取引をすることが可能です。
⇒【株式市場の詳細を解説】
先物取引におけるNDF、DFとは?商品の受け渡しがあるかないかの違い。
先物取引はさらにNDFとDFの2つに分類することができます。
NDFとはNon Deliverable Forwardの略で、実際の商品の受け渡しを行わない取引です。
株式の先物取引は株価指数の取引で商品の受け渡しはないため、NDFに該当します。
NDFでは満期日までポジションを保有した場合、定められた清算価格で清算を行います。
一方DFとはDeliverable Forwardの略で、実際の商品の受け渡しを行う取引です。
シカゴの穀物の先物取引は実際に商品の受け渡しを行うため、DFに該当します。
DFでは満期日までポジションを保有した場合、定められた商品の受け渡しを行います。
まとめ
先物取引は複雑で難しいと敬遠しがちな人も多いと思いますが、投資の選択肢の1つとして持っておくと、利益を出すチャンスも広がります。
株式の先物取引は馴染みのある日経平均株価をベースとしたものですので、興味があれば取引をしてみてください。
<こんな記事も読まれています>
この記事へのコメントはありません。