高齢者を中心に加工食品のオーナー制度で多額の資金を集めていた「ケフィア事業振興会(以下、ケフィア)」が破産手続きにはいることが2018年9月3日、明かになりました。
ケフィアはオーナーに対して加工食品の買取と10%程度の利子の支払いを約束していましたが、2017年11月ころからオーナーに対する支払いが遅れはじめ、オーナーとのトラブルに発展。
この問題を懸念して消費者庁は8月31日に注意喚起を行っていました。
ここではケフィアの負債総額や債権者数、未払金は返金されるのかについてみていきたいと思います。
目次
ケフィア事業振興会破産手続きへ。負債総額、債権者数とは?
ケフィアとのその関連会社「かぶちゃん九州」「かぶちゃんメガソーラー」「飯田水晶山温泉ランド」の3社は9月3日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けたことを発表しました。
4社の負債総額は約1,053億円、債権者数は33,747人。単純計算で一人当たり約3百万円の負債があることになります。
ケフィアは干し柿、ヨーグルト、メープルシロップなどの加工食品のオーナーになる制度で資金を調達し、半年後にはその加工食品の買い取りと約10%の利子を支払うことを約束していましたが、2017年11月ころから支払い遅延がはじまりました。
当初支払い遅延の理由はシステムの入れ替えに伴うものと説明していましたが、その後も支払い遅延は解消せず、国民生活相談センターへの問い合わせが急増し、問題となっていました。
ケフィア事業振興会の債権者・被害者は破産手続きによって未払金を取り戻すことができるのか?
ケフィアの債権者は破産手続きによって未払金を取り戻すことができるのでしょうか?
すでに被害者はケフィアグループ被害対策弁護団が中心となって相談や説明会を実施しており、破産手続き刑事告訴を検討する方針であることを示していました。
今回の破産申請によって、ケフィアの資産を差し抑えることになりますが、ケフィアに未払い金を返金するだけの資産が残っているかがポイントとなります。
ケフィアの2017年7月期決算の売上高は1,004億円、当期純利益は1億5,011万円で、負債総額約1,053億円から考えると相当厳しそうな印象です。
元社員によればケフィアの新規事業の取り組みのほとんどが失敗しており、自転車操業的に新規会員からの資金で会社を運営していた模様です。
ケフィアに資金が残っていたとしても、それは新規会員から集めた資金に過ぎず、債権者に返金されるとしても、金額は相当少なくなりそうです。
ケフィア事業振興会、スマートデイズのシェアハウス「かぼちゃの馬車」はほぼ同じような詐欺スキーム。
ケフィアのスキームは明かに詐欺の可能性が高いですが、ここまで多くの被害者が出ていることに驚きです。
不動産投資においてもスマートデイズが運営していたシェアハウス「かぼちゃの馬車」がサブリースという形でオーナーに家賃収入を保証し、支払いができずに破産しましたが、今回のケフィアの例もほぼ同じと言えるでしょう。
半年間で10%の利回りを保証するような投資商品というのは存在せず、もしそのようなものがあれば詐欺である可能性が極めて高いです。
いつの時代にもこのような詐欺はなくなりませんが、投資家自身が知識を付けて、対応していくしかありません。
このニュースを見た人は他人事とは考えずに、自分にもそのような話が来た際には安易に乗らないように、今回の件から勉強すると良いでしょう。
ケフィア事業振興会の未払い金は返金されるのかまとめ
ケフィアは破産申請手続きを開始しますが、負債総額は1,000億超え、債権者は3万人超えと驚きの規模となっています。
ケフィアの決算内容から見る限りは、未払金が回収できる可能性は低そうですが、少しでも被害が小さくなることを期待したいです。
今後もこの問題には注目していきたいと思います。
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