ヤマトホールディングス(HD)は2019年3月期第一四半期決算を下方修正したことを2018年9月14日に発表しました。
子会社ヤマトホームコンビニエンス(YHC)の引っ越し料金過大・水増し請求問題を受けて、ヤマトHDは2019年3月期第一四半期決算の提出期限を1ヶ月延長を申請する異例の事態となっていました。
ここではヤマトHDの株価の状況と決算下方修正についてみていきたいと思います。
ヤマトHD株価上昇・下落の可能性
ヤマトHDの2018年9月14日の株価は、前日比▲63円(▲1.9%)の3,286円で取引を終了しました。
2019年第一決算下方修正の発表は引け後であったため、影響があるとすれば9月18日以降となります。
以下はヤマトHDの日足チャートです。
2018年のヤマトHDの株価は上昇トレンドを形成しており、直近はレンジ内の値動きとなっているものの、上昇トレンドは崩れておらず、今後再度上昇していく可能性はありそうです。
2017年11月20日安値2,081円から引いたサポートライン(下値抵抗線)の通り、75日移動平均線(水色)に沿う形で下値の切り上げを完成しています。
目先は9月10日安値3,144円を維持できるかがポイントとなります。ここを下抜けするまでは、上昇トレンド継続とみてよいでしょう。
一方で高値は6月22日に3,496円の年初来高値を付けた後、多少の切り下げとなっています。
ここからすんなりと上昇には向かわずに、しばらく様子見が続くかもしれません。まずは6月22日高値から引いたレジスタンスライン(上値抵抗線)と8月24日高値3,438円を突破できるかが注目です。
現在の株価は75日移動平均線付近となっていますので、ここで反発するようだと上昇が期待できそうです。
ただ今後もYHCの不正・過大請求の影響には注意する必要があります。
ヤマトHD2019年3月期第一四半期決算を下方修正
ヤマトHDの株価は2019年3月期第一四半期決算を下方修正しましたが、通期見通しは変更していません。
2019年3月期第一四半期決算の四半期純利益を40億9,600万円から▲35.6%の26億3,800万円へ下方修正。
YHCの不正・過大請求額については、前回発表した過去5年間で約31億円から変更はありません。
通期見通しは売上高が前期比+5.0%の1兆6,150億円、経常利益が前期比+69.0%の610億円、当期純利益が前期比97.5%の360億円となっています。
配当についても前回発表の28円を維持する方針。
まだまだYHCの業績に対する不透明感は続くものの、通期見通しを据え置いたことで、株価への影響は限定的となりそうです。
ヤマトホームコンビニエンス、引っ越しの新規受注を停止。影響額は?
ヤマトHDは同時に、調査委員会からYHCの不正・水増し請求に関する調査報告書を受領し、一部には悪意で上乗せした見積もりがあったことを認めました。
今後YHCは全てのサービスを再点検し、不正請求が起こらない体制を構築するまでは、すべての引っ越しサービスの新規受注を停止することを発表。
新規受注停止による影響額は営業利益ベースで60億円程度とみられており、その分は通期見通しに織り込み済み。
引っ越しがピークを迎える2019年3月末までに業務を再開することがあれば、業績の上方修正が期待できるかもしれません。
まとめ
ヤマトHDは異例の決算提出期限の延長申請を行い、公表済みの2019年3月期第一四半期決算を下方修正しました。
YHCの不正・過大請求の影響額を精査したうえで、通期見通しは変更なしとしています。
株価は上昇トレンドを形成しており、直近は方向感が無くなってはいますが、トレンドは崩れていません。
今後の上昇に期待したいと思います。
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