クールビズを推進する企業も増え、スーツへの出費は少なくなったと実感している人も多いのではないでしょうか?
ここでは紳士服大手やファストファッションブランドの現状をみていきたいと思います。
目次
青山、AOKI、コナカ、はるやまの紳士服大手は売上減少へ。
青山商事の2018年3月期決算はかろうじて3期連続の増収を達成したが、当期純利益は4期連続の減収と厳しい状況が続いています。
2019年3月期見通しは、売上高は前期比+2.6%の2,615億円、当期純利益は前期比▲0.5%の114億円と増収減益が続く苦しい展開となっています。
AOKIホールディングスの2018年3月決算はかろうじて増収増益、2019年3月期見通しは、売上高は前期比+0.3%の1,991億円、当期純利益は前期比+0.3%の74億円とわずかながらの増収増益を見込みますが、2015年3月期の当期純利益が100億円を超えていたことを考えると、厳しい状況となっています。
これら2社はともに増収見込みとなってはいるものの、既に発表されている既存店売上高では、前年割れとなっており、見通し通りに着地できるかは不透明です。
青山、AOKI、コナカ、はるやまの紳士服大手が苦戦する理由とは?クールビズ化とユニクロ、ZARA、H&Mなどの台頭、年間支出額の減少。
クールビズが一般的になってきており、スーツに対する消費額の減少も明確となってきています。
総務省の調査によると2016年のスーツに対する年間支出額は約4,000円と2000年対比半減している状況です。
またユニクロ、ZARA、H&Mなどが安くてファッション性の高い洋服を販売していることも、紳士服大手の収益を圧迫する要因となっています。
スーツ販売は新入社員や50代の安定顧客など一定の需要は見込めるものの、30代や40代の顧客取り込みに大きな課題を残します。
クールビズ、ファストファッションの台頭、ネット通販など、紳士服大手の取り巻く環境は非常に厳しいです。
青山、AOKI、コナカ、はるやまの紳士服大手の株価の動きや影響は?PERでも差がつく展開に。
青山商事の2018年5月28日の株価は、前日比▲25円(▲0.6%)の3,985円となっており、前回安値である4月13日の4,000円を下抜けて安値を模索する展開となっています。
一方でAOKIホールディングスの5月28日の株価は、前日比+33円(+1.9%)の1,791円となっており、前回高値である5月16日1,810円も視野に入っている状況です。
PERも青山は17.6倍、AOKIは21.0倍と差がついており、株価水準では明暗が分かれています。
⇒【PERの詳細を解説】
⇒【PBRの詳細を解説】
まとめ
今後もクールビズ化はどんどん進んでいくと思われますので、従来と同じビジネスモデルでは紳士服大手の未来は厳しいものになるのは確実です。
今後どのように立て直しをしていくのか、注目していきたいと思います。
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