日経平均株価とドル円相場には一定の相関性があるということを聞いたことがあると思います。
必ずしも同じ動きをするとは限りませんが、一般的にはドル高円安になれば日経平均株価は上昇するという、逆相関(円安株高)の関係性があります。
このような逆相関にも、為替要因から日経平均が動くケース、日経平均要因から為替が動くケースの2つがあります。
ここではなぜそのような相関性があるのかをみていきたいと思います。
⇒【日経平均株価の詳細を解説】
目次
日経平均株価とドル円相場の相関性をチャートで確認してみよう。
まずチャートから日経平均株価とドル円相場の相関性を確認してみましょう。
以下は同じ期間(2017年6月30日~2018年5月8日)の日経平均株価日足チャート(上)とドル円日足チャート(下)です。
全ての期間で相関性があるわけではないですが、大きく3つのポイントで相関関係が見て取れます。
① 日経平均株価高・ドル高円安
チャート上に赤丸で囲った2017年9月から11月までは日経平均株価高・ドル高円安の相関関係があります。日経平均株価もドル円も安値は同じ9月8日から上昇しています。上昇後高値も日経平均株価は11月9日、ドル円は11月6日と近い日付となっています。
② 日経平均株価安・ドル安円高
チャート上に青丸で囲った2018年1月から3月までは日経平均株価安・ドル安円高の相関関係があります。日経平均株価は1月23日高値、ドル円も1月上旬高値から下落しています。安値は日経平均株価もドル円も同じ3月26日です。
③ 日経平均株価高・ドル高円安
チャート上にオレンジ丸で囲った2018年3月から5月までは日経平均株価高・ドル高円安の相関関係があります。日経平均株価もドル円も安値は同じ3月26日から上昇しています。
⇒【株価変動の要因を解説】
ドル高円安からの日経平均株価高の相関関係。外貨での利益がドル高円安により企業業績改善へ。
それではどのような要因で相関関係が成り立っているのか、考えていきたいと思います。
まずはイメージしやすい、ドル高円安からの日経平均株価高の相関関係からみていきましょう。
日本の企業は海外で活動をしている企業も多く、ドルを中心とした外貨で利益を上げています。
日本企業の決算は円建てで行いますので、為替相場がドル高円安に進むと、円建てでの利益額は拡大しますので、日本企業の業績改善要因となり、日経平均株高となります。
この要因は理解しやすいのではないでしょうか?
⇒【日経平均株価の詳細を解説】
日経平均株高からのドル高円安。外国人投資家の動向が要因。
日経平均株高からのドル高円安は少しイメージしにくいかもしれません。
これを理解するには日本の株式市場における外国人投資家の割合を知る必要があります。
現在の外国人投資家の割合は約30%で、年々増加しています。
① 外国人投資家が日本株を購入する場合は、ドルを売って円を買う必要があります(ドル安円高要因)。
② ドル円の為替要因をヘッジするために、ドル買い円売りの為替予約を行います(ドル高円安要因)
③ ①②では為替の影響はありませんが、ここで日本株が上昇すると、②で行った為替予約の金額が足りなくなり、追加でドル買い円売りの為替予約を行うため、為替相場はドル高円安に動きます。
まとめ
日経平均株価とドル円相場の相関関係、理解していただけましたでしょうか?
両者が密接に関係していますので、日本株のトレードをする場合でもドル円相場は常にチェックしていきましょう。
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