個人投資家が株式投資を行うには証券会社の口座を開設する必要がありますが、証券会社は個人投資家の売買を扱いだけでなく、さまざまな形で金融市場に関わっています。
ここでは証券会社が行っている主な4つの業務についてみていきましょう。
目次
証券会社が行う委託売買(ブローカー)業務、自己売買(ディーラー)業務とは?
まずは証券会社が株式取引に関わっている2つの業務についてみていきましょう。
① 委託売買(ブローカー)業務
私たち投資家が株式や債券の売買を行う際、直接取引所で取引をすることはできず、必ず証券会社に口座を開設して取引をする必要があります。証券会社は投資家から受け取ったオーダーを東京証券取引所(東証)などの取引所に繋いで売買を成立させます。これを委託売買業務といいます。株式投資を行うにあたっては、この委託売買業務が一番身近な業務となります。
② 自己売買(ディーラー)業務
証券会社が自らのリスクで売買差益を狙うために株式や債券の売買を行うことです。私たち投資家が株式や債券に投資するのと同じです。
これら2つの業務は皆さんイメージがつきやすい業務ではないでしょうか?
⇒【売買手数料について解説】
証券会社が行う引受(アンダーライター)業務、募集・売り出し(セリング)業務とは?
次に証券会社が会社や国の資金調達に関わる2つの業務をみていきましょう。
③ 引受(アンダーライター)業務
会社や国が株式や債券を発行する際に、証券会社が一部または全部を買い取り、投資家に販売する業務です。引受業務では、会社や国は必ず資金調達ができる一方で、証券会社には売れ残った場合は買い取りする義務が発生するリスクがあります。
④ 募集・売り出し(セリング)業務
新規または既に発行された株式や債券を販売する業務です。引受業務と異なる点は、万が一株式や債券が売れ残っても、証券会社は買い取る義務はありません。
⇒【株式について解説】
総合証券会社の条件とは?直接金融とは?日本にある証券会社数とは?
委託売買業務、自己売買業務、引受業務、募集・売り出し業務の4つすべての業務を行える証券会社を総合証券会社と言います。
証券会社の業務は、投資家(資金提供者)と企業や国(資金需要者)を直接つなぐため、直接金融と呼びます。
これに対して金融機関が投資家の預金を企業に貸付を行う業務は、間に金融機関が入っていることから、間接金融と呼びます。
現在、日本証券協会に登録されている金融商品取引業者は265社あります(2018年4月2日現在)。
証券会社として有名な会社としては、野村證券や大和証券などの大手がありますが、最近はインターネットの普及により、SBI証券や楽天証券などのインターネット証券会社が台頭してきており、株式取引の手数料は大幅に下がっています。
会社によって提供しているサービスや売買手数料は異なりますので、自分が求めるサービスや機能を明確にしたうえで、自分にあった証券会社を見つけていきましょう。
⇒【売買手数料の詳細を解説】
まとめ
証券会社はさまざまな形で金融市場に関わっていること、理解していただけたでしょうか?
個人投資家として株式や債券の売買を取り次ぐだけではなく、自ら売買をしたり、企業や国の資金調達に関わっています。
是非覚えておいてください。
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