証券取引等監視委員会は2018年6月29日、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が長期国債の先物取引において不正な取引があり、課徴金の支払いを命じたことがわかりました。
大手証券会社が市場の公平性・透明性を損なう不正行為を行っていたという、あってはならない事態です。ここではその詳細と影響についてみていきたいと思います。
目次
三菱UFJモルガン・スタンレー証券、国債取引の相場操縦で課徴金支払いへ。その金額とは?処分や影響は?
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、2017年8月25日に大阪取引所に上場する長期国債先物取引において、売買の意思がない中で大量の売買注文を行い、市場の取引が活発であるように見せかけて、相場操縦を行いました。
これが金融商品取引法違反に該当するとして、課徴金2億1,837万円の支払いを命じました。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は関係者に謝罪するとともに、再発防止に取り組むとのコメントを発表。また、相場操縦を行ったトレーダーの処分も検討しているとのことです。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券、国債取引の不正行為の詳細とは?
違反行為の詳細は、18時33分~36分の間に、購入する意思のない買いオーダーを大量に発注、これにより他の投資家の買い注文価格が上昇するように誘導し、価格が上昇したとこで売りオーダーを入れて約定。売りオーダーの約定とともに買いオーダーはキャンセルしました。
また18時47分~50分の間には、購入する意思のない売りオーダーを大量に発注、これにより他の投資家の売り注文価格を下げるように誘導し、価格が下落したところで買いオーダーを入れて約定。買い注文の約定とともに売りオーダーはキャンセルしました。
相場を操作することで安い価格で購入し、高い価格で売却しています。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券が長期国債先物取引で不正、課徴金支払いまとめ
相場操縦などの不正行為は、市場の公平性や透明性を損なう行為として禁止されており、本来であればそういう行為を無くすように働きかけるべき証券会社で違反があったというのは、大変遺憾です。
今後の再発防止と、信頼回復に向けた対応に期待したいと思います。
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