東京証券取引所(東証)は田淵電機の株式上場時価総額審査を2018年12月8日~2019年1月7日に行っていましたが、1ヶ月間の平均時価総額が10億円以上となったため、東証一部上場が維持されることが決定しました。
ここでは田淵電機の株価の動きと、時価総額審査についてみていきたいと思います。
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目次
田淵電機、上場維持決定で株価大幅反発
田淵電機の2019年1月7日の株価は、前日比+10円(+9.1%)の120円で取引を終了しました。この日は東証による時価総額審査の最終日であり、終値ベースの時価総額は49億円で、東証一部上場が維持されることが決定しました。
2018年12月末にかけては株価は大きく下落し、一時は100円を割り込みましたが、上場維持が確定的になったことで、買いが入ったと思われます。
田淵電機、2018年からの株価の値動き
田淵電機の2018年からの株価の推移は、値動きの荒い展開となっていました。6月15日に314円の高値を付けた後、6月29日には110円まで下落。その後も低調に推移していましたが、9月28日には318円と年初来高値に迫る水準まで上昇しました。
しかしながらその後は下落に転じ、東証による時価総額審査が決定すると売りが先行し、12月25日には年初来安値となる99円を付けました。
田淵電機株価、テクニカル分析
田淵電機の株価をテクニカルで見ていくと、全ての移動平均線が下向きとなっており下落トレンドであることがわかります。急反発によって10日移動平均線(ピンク色)を上抜けしていますが、12月25日安値99円を維持したまま、上昇していけるのか注目が集まります。
まずは25日移動平均線(緑色)がいちする136円前後まで上昇できるかがポイントですが、そこがレジスタンスとなって下落する可能性は高そうです。突破できたとしても、75日移動平均線(水色)が位置する165円近辺は強い抵抗となりそうです。
もし急激に反発したとしても、200日移動平均線(オレンジ色)が位置する200円近辺は、終値ベースで突破したことがほぼ無いため、かなり強いレジスタンスとなりそうです。2018円の高値を超えるには、相当時間を要すると考えたほうが良いでしょう。
田淵電機、債務免除で特別利益計上へ
田淵電機は2018年12月7日に、金融機関と債務免除の同意を得られたことから、グループで49億円の特別利益を計上することを発表しました。
田淵電機は業績悪化に伴い、財務状況の改善の目途が立たないことから、金融機関に債務免除の交渉を行っていました。2019年3月期決算見通しは、売上高が264億円、経常利益が▲44億円、当期純損失が▲88億円と、売上高は下げ止まりを見せたものの、依然として厳しい状況が続いていました。
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田淵電機、基準上回り上場維持決定
田淵電機の2018年12月8日~2019年1月7日の平均時価総額は約49億円と、上場維持の基準となる10億円を上回ったため、東証一部上場が維持されることが決定しました。
とりあえず上場廃止という最悪の事態は免れましたが、決算見通しは赤字であり、引き続き株価は低調な推移が続いていきそうです。
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まとめ
田淵電機の株価は、上場維持が決定したことにより安値から大幅に反発しておりますが、引き続き経営状況が厳しいことには変わらず、ここから更なる上昇を見込むことはできなそうです。
株価は当分値動きの荒い展開になることが予想され、トレードする場合にはリスク管理に注意することをおすすめします。
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