「ソフトバンク」が2018年12月19日に東証一部に上場し、注目された初値は1,463円とIPOの公開価格1,500円から▲37円(▲2.5%)となりました。終値は公開価格対比▲218円(▲14.5%)の1,282円となっています。
ここでは「ソフトバンク」初値が公開価格を割れた理由・原因についてみていきたいと思います。
⇒【「ソフトバンク」初値予想と売却のタイミング】
⇒【「ソフトバンク」株価上昇・下落の可能性】
日経平均株価下落で地合いが悪い
この日の日経平均株価は前日比▲128円(▲0.6%)の20,987円で取引を終了し、日経平均株価がここ最近軟調に推移していることが、「ソフトバンク」公開価格割れの原因になったと考えられます。
「ソフトバンク」の公開価格1,500円ベースの時価総額は約7.2兆円であり、他のIPO案件と比較すると大規模となっています。新興企業であれば地合いの悪さの影響はあまり受けませんが、「ソフトバンク」の規模となると大きく影響を受けると言えるでしょう。
通信障害の影響
「ソフトバンク」は12月6日の13時39分頃~18時4分頃まで大規模な通信障害を起こし、これが初値に影響を与えた可能性もあります。
IPOを控えた直前に起こした通信障害によって、上場日当日に買いを控えて様子見する投資家が多く、売り先行となって初値は公開価格割れ、引けにかけて更に下落幅を拡大したと考えることもできます。
公開価格1,500円が高すぎる
「ソフトバンク」初値割れの原因として、そもそも公開価格の1,500円が高すぎるという指摘もあります。今回のIPOの主幹事証券会社は野村證券ですが、仮条件の段階から1,500円で値幅制限を設けていませんでした。
機関投資家からヒヤリングをして仮価格を設定したと考えられますが、「ソフトバンク」の公開価格ベースの時価総額は約7.2兆円。競合他社である「KDDI」の時価総額は約6.3兆円でやや割高感があるようにも感じられます。「ソフトバンク」の終値ベースの時価総額は約6.1兆円です。
野村証券が公開価格を高く設定した理由
野村証券が公開価格を高く設定した理由に、手数料収入を多く得たかった可能性があります。IPO案件における証券会社の手数料は金額に対する%で決まっているため、公開価格が高ければ高いほど、証券会社としては収入が多くなります。
もちろん需給を確認した上で設定した仮条件・公開価格ではありますが、手数料収入を多くほしいという思惑が働いた可能性はありそうです。
「ソフトバンク」主幹事証券会社選定の条件
「ソフトバンク」IPOの主幹事証券会社選定において、親会社の「ソフトバンクグループ」がやっているファンドへの巨額な融資が条件になっていたという話もあります。
証券会社にしてみればこれだけ大規模なIPOは主幹事証券会社になりたいと思うもので、融資だけではリスクや採算が見合わないため、IPOの手数料でカバーしようと考えていたのかもしれません。
⇒【IPO株売却のタイミング】
まとめ
注目の「ソフトバンク」の初値は公開価格を割れましたが、株式市場全体の地合いの悪さ、通信障害の影響、公開価格が高すぎたことが理由として考えられます。
今後の株価の動きに注目が集まりますが、終値は更に下落しており、公開価格まで戻すのは時間がかかるかもしれません。
<こんな記事も読まれています>
⇒【「ソフトバンク」株価上昇・下落の可能性】
⇒【「ソフトバンク」初値予想と売却のタイミング】
⇒【「ソフトバンク」IPOは買い?】
⇒【「上場廃止基準」を解説】
⇒【決算の提出期限・延長申請を解説】
⇒【APAMAN、札幌爆発事故の株価への影響】
⇒【サンリオ下請法違反の株価への影響】
⇒【ホシザキ、決算提出遅延で上場廃止の可能性】
⇒【ライザップ赤字転落でストップ安】
⇒【中村雅俊が詐欺グループセナーと関与?】
この記事へのコメントはありません。