IHIは2018年8月7日、東京国税庁から申告漏れを指摘されたことがわかりました。過少申告加算税を含めた追徴課税が行われる予定ですが、IHIは不服申し立てをする方針のようです。
ここではIHIの申告漏れの詳細と、株価や業績に与える影響について、みていきたいと思います。
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目次
IHI、東京国税局から指摘された申告漏れの内容とは?追徴課税額は?
東京国税庁は、IHIが2012年4月から2016年3月期の4年間で約100億円の申告漏れがあると指摘。過少申告加算税を含めた追徴課税は約43億円となる見込みです。
IHIは国内で生産した自動車用部品をタイの子会社に輸出。その時の取引価格が不当に安いとして、今回申告漏れの指摘となりました。IHIは相場から考えると適正な価格で取引をし、納税をしていたとの認識で、今後は不服申し立てを行う予定とのことです。
国をまたいで子会社に対して安く販売を行うことは、国内での課税所得を圧縮するため、移転価格税制に該当します。今回のIHIの取引は移転価格税制に該当すると東京国税庁は判断したため、追徴課税の指摘を行いました。
IHI2019年3月期第一四半期決算の詳細とは?通期の業績見込み、追徴課税の影響は?
IHIは8月7日に2019年3月期第一四半期決算の発表を行い、売上高は前年同期比▲16.2%の3,371億円、四半期純利益は前年同期比▲47.6%の61億円となりました。
2019年3月期決算見通しは前回発表から変わらず、売上が前期比▲5.7%の1兆5,000億円、当期純利益は前期比+286.0%の320億円と、減収ながらも大幅増益を見込んでいます。通期の当期純利益見通しに対する第一四半期での進捗は19.2%となっています。
もし東京国税庁の指摘通り、約43億円の追徴課税が適用されれば、業績に与える影響は小さくありません。
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IHI株価上昇の可能性は?2019年第一四半期決算発表、東京国税庁申告漏れの影響は?
IHIの2018年8月7日の株価は、前日比+55円(+1.4%)の3,890円で取引を終了しています。2019年3月期第一四半期決算発表、東京国税局からの申告漏れ指摘は、株式市場終了後の発表であったため、株価への影響は出るのは明日8月8日以降となっています。以下はIHIの日足チャートです。
IHIの2018年の株価は、ほぼ年初と同じ水準で推移しています。3月には年初来安値となる3,155円を付けるも、その後は上昇し5月25日には年初来高値となる4,205円まで上昇。しかしながら、最近は下落調整をしている形となっています。
テクニカルには3本の移動平均線が横ばいとなっており、方向感のない展開となっています。株価は25日移動平均線(緑色)で反発しており、75日移動平均線(水色)も超えてきているので、このまま75日移動平均線を維持できれば上昇に向かう可能性が高そうです。もし25日移動平均線を下回るようだと、更なる下落に要注意です。
下落した場合は、7月23日安値3,685円を維持できるかがポイントとなります。
IHI、2018年8月以降株価上昇の可能性まとめ
IHIの株価は方向感のない展開が続いていますが、今回の東京国税庁の指摘がネガティブな影響を与える可能性はあるかもしれません。明日以降の株価の動きに注目です。
IHIは処分取り消しのために不服申し立てを行う方針ですが、もし追徴課税となれば、業績に与える影響は大きく、株価も下落に転じる可能性が高いでしょう。
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