海運業界株は不調が続いています。大手である日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社の株価は下落基調で苦しい展開となっています。
そんな中、旧村上ファンド系の関係者が海運業界の株式を買い増しに動いており、大手同士の統合の噂が流れています。ここでは海運業界株を取引する際には知っておくべき、動きについて紹介していきたいと思います。
目次
オフィスサポート、エフィッシモは旧村上ファンド関係者 が設立。日本郵船と川崎汽船の株式を大量保有へ。
かつて村上ファンドを率いて世間を賑わせた村上氏が関与する投資会社、オフィスサポートが日本郵船の株式を買い増していることが明かになっています。2018年3月末時点で、オフィスサポートは日本郵船株の4.42%を保有しています。
そして旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンドである、エフィッシモは、2018年6月20日付で川崎汽船の株式の38.99%を保有していることが、財務省に提出した変更報告書で明らかにになりました。
元村上ファンドの関係者が日本の海運大手2社の株式を買い進める、理由は何なのでしょうか?
エフィッシモが川崎汽船株式を大量保有する理由や目的とは?オフィスサポートは日本郵船株式を買い増しに動くか?
エフィッシモは川崎汽船の株式を大量に保有する理由を、純粋な投資であると発表しています。2018年7月25日現在の川崎汽船の連結PBRは約0.8倍と、解散価値とされる1倍を下回っており、割安感が出ているのは確かです。
川崎汽船の株価は7月12日に1,833円の年初来安値を付けて、2018年に入って下降トレンドが継続しています。エフィッシモの投資は現状損失になっていると思われますが、このまま買い増しを続けるのか注目です。
オフィスサポートが保有する日本郵船の株式も2018年に入って株価は下降トレンドとなっています。2018年7月25日現在の連結PBRは約0.6倍と、こちらも割安な水準です。オフィスサポートの投資目的は明らかになっていませんが、PBRに着目した投資であれば、更に保有割合を増やしていても不思議ではありません。
日本郵船は7月25日に2019年度決算見通しを大幅に下方修正しました。これにより株価は3月26日に付けた年初来安値2,012円を下回る可能性があり、買い増しのチャンスとなるでしょう。
海運大手の収益環境が厳しい中、旧村上ファンド系が主導して日本郵船と川崎汽船の統合は実現するか?
これらの旧村上ファンド関係者の動きは、日本の海運大手2社を統合させようとしていると見ている人もいます。大手海運3社はコンテナ事業の統合は実現しましたが、業績は苦しい状況が続いており、世界の海運大手とは差が開いている一方です。
このような収益環境を考えると統合の話が出てもおかしくはなく、今後株価が割安に推移すれば、旧村上ファンド関係者が株式を買い増して、統合に向けた動きを進める可能性は十分にあります。
日本郵船の業績下方修正によって、オフィスサポートがどこまで株式を買い増しするのか注目です。
海運業界株で利益を上げるためのポイントまとめ
海運業界株をトレードするのであれば、旧村上ファンド系の動きは把握しておくことが重要となります。もし統合が実現すれば、株価は一気に上昇する可能性が高いでしょう。
エフィッシモは既に議決権ベースで拒否権を発動できるところまで川崎汽船株式を保有しており、影響力は大きいです。今後オフィスサポートがどのように動くか注目です。日本郵船株価下落が、絶好の買い増しのチャンスとなるのでしょうか。
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