コンコルディア・フィナンシャルグループ(FG)傘下の東日本銀行が、金融庁から業務改善命令を受けたことが2018年7月13日に発覚しました。今年に入り金融機関に対する業務改善命令が相次いでいます。
ここでは東日本銀行の業務改善命令の詳細、親会社であるコンコルディアFGの株価への影響をみていきたいと思います。
目次
東日本銀行の業務改善命令の詳細内容とは?融資実行手数料、担保定期預金、不適切融資、社内監査部のけん制機能不全、投資信託販売の虚偽報告など。
金融庁は以下の4つの理由で、東日本銀行に対して業務改善命令を出しました。
① 融資実行に際して根拠が不明な融資実行手数料と実質的に両建となる担保定期預金を徴収していた
② 実態のない会社への不適切な融資や、相場より高い不動産を購入と知りながら融資を実行した
③ 上記①②の件に対して、社内監査部のけん制機能が働いていなかった。
④ 投資信託販売の事故報告において、多くの職員が虚偽報告を行っていた
これらの問題は法令順守、顧客保護や顧客本位の運営体制に反するものであり、金融庁は業務改善命令を出す事態となりました。
東日本銀行は2018年8月13日までにこれらの問題に対する改善計画を提出、その後3ヶ月毎の進捗を報告する必要があります。
東日本銀行の不適切な融資実行手数料の金額詳細は?不適切な融資の詳細は?【2018年7月26日追記】
東日本銀行が不適切に徴収していた融資実行手数料は、合計で997件あり、総額は4億6,000万円にのぼります。東日本銀行の2018年3月期の単体連結純利益は42億円であり、約10%が融資実行手数料に相当する、大きな金額となっています。この融資実行手数料は本部も把握しており、顧客の同意が得られていれば問題ないとの認識で進めていたようです。また、顧客に対して必要金額以上に融資を行い、差額で定期預金を組ませる両建ても行われていました。
またこの他にも、特定の支店の副支店長が融資残高を増やすために、実体のない営業所への登記を行わせ、支店長決裁で融資を実行させたケースもありました。これにより7億円の損失が発生。支店長は融資先の実態を確認せずに決裁を行い、けん制機能が働いていませんでした。
これらの事例に対して、金融庁は目先の利益を追求するあまりに、社内の管理体制が追いついていない点を問題視し、行政処分に踏み切りました。
コンコルディアFGの株価への影響は?東日本銀行が業務改善命令。日足チャートのテクニカル分析は。
東日本銀行は2016年4月1日に横浜銀行とともにコンコルディアFGを設立し、地方銀行では最大となっています。
コンコルディアFGの2018年7月13日の株価は前日比▲47円(▲8.5%)の504円と大きく下落して引けています。日経平均株価が2%近く上昇する中で、大きな下落となっています。
以下はコンコルディアFGの日足チャートです。
2018年に入り株価は大きく下落しています。1月10日には740円の高値を付け、高値からの下落率は約32%となっています。
テクニカルには3本の移動平均線全てがデッドクロスを完成しており、非常に弱い形のチャートとなっています。日足チャートでは下値の節目となる価格帯が無いことから、大きく下落する可能性もあるので要注意です。
上昇に向かうには75日移動平均線(水色)が位置する600円付近まで回復する必要がありますが、時間を要しそうです。
コンコルディアFG2018年8月以降株価上昇の可能性は?東日本銀行業務改善命令の影響は?【2018年7月26日追記】
コンコルディアFGの株価は、東日本銀行への業務改善命令が明かになった7月13日の500円を安値として、上昇が続いています。翌日からは6日連続で陽線となり、75日移動平均線(水色)付近での推移となっています。現在までの株価の値動きを見ると、業務改善命令のニュースで悪材料を出し切って、今後株価は上昇に向かう可能性は高いかもしれません。まずは75日移動平均線を終値ベースで明確に突破できるかがポイントとなります。
東日本銀行、金融庁から業務改善命令、その詳細まとめ
2018年に入って金融機関に対する業務改善命令が相次いでおり、今回は地銀最大グループとなるコンコルディアFG傘下の東日本銀行が業務改善命令を受けました。
株価はこのニュースに大きく反応しており、下値を探る展開となる可能性が高そうです。
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