新聞や印刷物などの発行部数が減少する中、印刷用紙の市場は縮小傾向にありますが、段ボールの需要が拡大しています。
ここでは段ボール需要拡大の理由や背景と、関連企業の株価や業績への影響をみていきたいと思います。
目次
段ボール需要増加の理由や背景とは?
段ボール需要増加の要因の1つに、アマゾンなどのインターネット通販市場の拡大があります。
今や買えないものがないというほどに拡大し、しかも翌日配送が基本となっているアマゾンでは、利用者拡大により段ボール使用料も大幅に増加しています。
これは日本に限ったことではなく、世界中で見られる現象で、特に中国では毎年10%を超えるスピードで成長しています。
これに加えて発展途上国などでは電化製品を中心としてさまざまの物の配送需要が増加していることも、段ボール需要拡大に寄与しています。
今後もこの流れは続いていくことが予想されます。
段ボール需要増の関連企業王子ホールディングスの事業内容や決算、株価の動きは?
世界中で関連企業が段ボールの増産に動いていますが、日本の関連企業である王子ホールディングスの動向をみていきましょう。
王子ホールディングスは東南アジアでの段ボール生産を拡大させていて、2018年12月までには段ボール工場2拠点で生産能力を倍増、2021年4月には段ボール原紙の生産設備の増設を計画しています。
王子ホールディングスは東南アジアの段ボール業を中心とした海外事業の拡大から、2019年3月期決算見通しでは、当期純利益は前期比+38%の500億円を見込んでいます。
以下は王子ホールディングスの日足チャートです。
2018年1月11日高値796円から下落し、一時は3月23日に647円の安値を付けたものの、その後は2018年3月期決算や2019年3月期決算見通しを好感して上昇に向かっています。
下落調整も75日移動平均線(水色)で反発し、再度10日移動平均線(ピンク色)と25日移動平均線(緑色)を上抜けしている状況ですので、上昇に向かいやすいチャートといえます。
1月11日高値796円を更新できるのか注目です。
⇒【移動平均線の詳細を解説】
段ボール需要増の関連企業レンゴーの事業内容や決算、株価の動きは?
次に国内大手のレンゴーについてみていきましょう。
レンゴーは2018年3月に、凸版印刷から段ボール製造子会社であるトッパンコンテナーを約50億円で買収すると発表しました。
2018年7月上旬に完全子会社化する予定で、国内で拡大する段ボール需要に対応していく方針です。
5月11日に発表した2018年3月期決算も3期連続の増収増益で、当期純利益は前期比+19.8%の166億円となりました。
同時に発表した2019年3月期決算見通しでも当期純利益は前期比+26.3%の210億円を見込んでいます。
以下はレンゴーの日足チャートです。
2017年9月以降綺麗な上昇トレンドとなっており、1度も75日移動平均線(水色)を下回っていません。
5月23日前場終了時点では節目である1,000円を突破し、年初来高値を更新しています。
どこまで上値を伸ばせるのか注目です。
まとめ
われわれの生活においてもアマゾンの普及により、段ボールを使用する機会は多くなったと思います。
その需要増に対応すべく積極的に投資している企業として王子ホールディングスとレンゴーをみましたが、両社とも業績の拡大と株価の上昇が期待できそうです。
是非注目してみてください。
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