スルガ銀行は2018年5月15日に2018年3月決算の公表と同時に、不正融資問題で揺れるシェアハウス向け融資の状況も公表しました。
翌日には株価は10%以上の急落と、いまだ問題の不透明感が残っている状況です。
ここではスルガ銀行の決算の内容、シェアハウス向け融資の状況、株価の動きをみていきたいと思います。
⇒【スルガ銀行のシェアハウス不正融資問題が株価や業績に与える影響を解説。】
目次
スルガ銀行2018年3月期決算の純利益は211億円。2019年3月期は240億円を見込む。
スルガ銀行の2018年3月期決算の当期純利益は前期比▲50.5%の211億円と、ほぼ5月8日発表した業績予想修正と一致しました。
減益の原因はシェアハウス向け融資の貸倒引当金の積み増しによるものです。
スルガ銀行は想定できる全ての引当金は計上済みとのことですが、融資の際には給与所得や個人資産が改ざんされており実態は把握できていないため、算出根拠に乏しいとの意見も出ています。
同時に2019年3月決算見通しを発表し、当期純利益は前期比+24.3%の240億円となっています。
スルガ銀行シェアハウス向け不正融資の人数と金額とは?ゴールデンゲインなど他の業者向けも。
決算と同時に発表したシェアハウス向け融資の状況では、2018年3月末時点で1,258人に対して2,036億円の融資を行っているとのことでした。
これは現在問題となっているスマートデイズ社が運営していたかぼちゃの馬車向けのみではなく、他の業者が取り扱う物件も含まれているとのことです。
かぼちゃの馬車向けは700人、1,200億程度で、残りはサクセスインベストメントパートナーズ、ゴールデンゲインなどの業者になり、これらの顧客も返済に窮している模様です。
スルガ銀行のシェアハウス向け融資は住宅ローンを除く個人向け融資の約20%にまで増加していました。
融資を実行した行員の大半が不正を知っていたとみられ、増収増益を絶対達成しなければならないとう雰囲気があり、営業が審査よりも力をもってしまったのが、シェアハウス向け不正融資の原因とのことです。
決算発表後のスルガ銀行株は10%超の大幅下落。前回安値を下抜けて更なる安値を模索する展開。
以下はスルガ銀行の日足チャートです。
決算発表翌日の2018年5月16日は前日比▲152円(▲10.1%)の1,357円と大幅下落し、5月8日安値の1,422円を下抜けました。
本日5月17日は前日比+26円(+1.9%)の1,383円と上昇していますが、引き続き下値を模索している状況です。
今後金融庁による処分も噂される中、更なる下落も起こりえるかもしれません。
⇒【移動平均線の詳細を解説】
まとめ
急激に業績を拡大してきたスルガ銀行ですが、その内容は融資書類の改ざんを知りながら融資を実行するというずさんなものでした。
今後も他の業者顧客からの訴訟や、金融庁の行政処分などネガティブなニュースが続いていくと思いますので、引き続き注目していきたいと思います。
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