企業の利益の大きさを比較する際には、純利益の比較を行えばよいですが、株式投資を行う投資家の目線では、純利益の絶対額だけでなく、1株当たりの純利益に注目すべきです。
1株当たりの純利益のことをEPSといい、株式投資を行っていく上では重要な指標ですので、詳細をみていきましょう。
⇒【損益計算書の見方を解説】
⇒【貸借対照表の見方を解説】
目次
EPS(1株当たり利益)とは?計算方法とは?株価をEPSで割ればPERに。
EPSとは、Earnings Per Shareの略で、1株当たりの利益のことです。
EPSは当期純利益を発行済み株式数で割ることで算出できます。
EPS = 当期純利益 ÷ 発行済み株式数
EPSは株価と比較することで、株価が割安か判断する材料の1つになりますが、これはPER(株価収益率)と同じ考え方です。
PER = 時価総額 ÷ 当期純利益 = 株価 ÷ EPS
⇒【PERの詳細を解説】
日経平均採用銘柄のEPSランキング。JR東海と東京エレクトロンが上位。
日経平均採用225銘柄のEPSランキングをみていきましょう。
1位はJR東海でEPSは2,063.1円、2位は東京エレクトロンでEPSは1,645.2円となっています。
日経平均採用銘柄のEPS平均は230.9円です。
EPSは発行済み株式数によって変わってくるためそのまま比較してもあまり意味がなく、発行済み株式数が少なく、株価の高い値がさ株が上位にランクインする傾向となります。
PERを見てみるとファーストリテイリングとファナックの2社は30倍と高いですが、その他の8社は平均の17.8倍を下回っていますので、必ずしもPERが高い企業がEPSが高くなるというわけではありません。
⇒【日経平均株価の詳細を解説】
EPSの使い方は?PER、BPS、PBR、自己資本比率など他の指標と組み合わせて使うのが良い?
ランキングでも見た通り、EPSはその値だけ比較してもあまり意味がありませんので、株価と比較=PERを意識するようにしましょう。
またEPSやPERは株価と利益の関係のみに着目した指標になりますので、BPS(1株当たり純資産)やPBR(株価純資産倍率)などの株価と純資産に着目した指標とあわせて使うことで、よりよいファンダメンタル分析が可能となります。
さらに自己資本比率、流動比率、当座比率といった貸借対照表の指標も組み合わせることで、企業の安全性の視点も加えることができます。
⇒【PBRの詳細を解説】
まとめ
EPSについて理解して頂けましたでしょうか?
株式投資をしていくのであれば企業の純利益の絶対額の大きさだけではなく、EPSやPERといった株価と純利益の関係を見ていくことをおすすめします。
アルファベットの指標が多いですが、ファンダメンタル分析では重要なものばかりですので、是非覚えて使いこなしてみてください。
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