企業の収益性をはかる指標に、ROEというものがあります。
投資家が出資する際にはこのROEの数値が1つの目安になる、とても重要な指標です。
ここではROEについてみていきましょう。
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目次
ROE(自己資本利益率)とは?計算方法や目安は?10%以上が優良企業。
ROEとは、企業の自己資本(株主資本)に対する当期純利益の割合で、株主から調達した資金からどれだけの利益を稼いでいるかを示す指標です。
英語のReturn On Equityの略で、日本語では自己資本利益率といいます。
ROEの計算式は以下の通りですが、ここで使用する自己資本(株主資本)は、純資産から少数株主持分や新株予約権などを除いた金額となります。
ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本(株主資本) X 100
ROEの目安としては、一般的に5%程度が普通、10%以上であれば優良となります。
また、株主が求めるROEの最低値は、銀行の預金金利以上となります。
なぜなら預金金利よりROEが低ければ、預金した方がリスクは低く収益性もよくなるからです。
日本は預金金利がほぼ0と低く比較されることは少ないですが、預金金利がある程度高い欧米では、よく比較対象になります。
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日経平均採用銘柄のROE(自己資本利益率)ランキング。東洋カーボン、東京エレクトロンが上位。
日経平均採用銘柄のROEランキングをみていきましょう。
以下は上位20社のランキングです。
1位は東海カーボンでROEは37.2%、2位は東京エレクトロンでROEは35.2%とともに30%を超える高い数字となっています。
上位20社は全て16%以上となっているため、ROEから判断すると優良企業になります。
続いて以下は下位20社のランキングです。
最下位はパイオニアでROEは▲8.5%、その次は東洋缶詰HDでROEは▲3.3%とともにマイナスとなっています。
この2社は当期純利益がマイナスだったため、ROEもマイナスとなっています。
下位20社は全て5%以下のため、ROEから判断すると物足りない結果となっています。
ROEはその年の当期純利益によって数字が大きく変わるため、その年に決算に影響する特殊要因等がないかは確認する必要があります。
過去数年間のROEを計算して比較すると、その企業のROEを水準がよりわかるでしょう。
ROE(自己資本利益率)とPER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)との関係性は?
ROEとPER、PBRは密接に関係しています。
それぞれの指標を発行済み株式数で割ると、以下の式になります。
つまりPBRが低い企業は、ROEが低い(自己資本に対する利益効率が悪い)かPERが低い(将来の収益性が低い)、またはその両方が低いことになります。
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まとめ
株式投資をするのであれば、投資した資金で効率的に利益をあげてほしいので、ROEは高い企業を選びたいです。
ただしROEは単年の利益で数字が大きくぶれるので、決算の内容はよく精査する必要があります。
他の指標も考慮に入れながら、投資の判断をしていくと良いでしょう。
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