企業の収益力をはかる指標に、ROAというものがあります。
ROEと同じく重要な指標ですが、ROEと混同しやすく違いを明確に覚える必要があります。
ここではROAについてみていきましょう。
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目次
ROA(総資産利益率)とは?算出方法は?目安は2~3%が普通で5%以上が良好、10%以上が優良。
ROAとは、企業の総資産に対する当期純利益の割合で、総資産(自己資本と他人資本)からどれだけ効率的に利益を稼いでいるかを表す指標です。
ROAは英語のReturn On Assetの略で、日本語では総資産利益率といいます。
ROAの計算方法は以下の通りです。
ROA(%) = 当期純利益 ÷ 総資産 X 100
ROAの目安としては、一般的に2~3%で普通、5%以上で良好、10%以上で優良とされています。
ただ借金が多くてもROAは高い企業がありますので、ROEや流動比率、当座比率、固定比率などの安全性をはかる指標と一緒に見たほうがよいです。
またROEが低くてROAが高い企業は借金が少なく、反対にROEが高くてROA低い企業は借金が多い傾向があります。
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日経平均採用銘柄のROA(総資産利益率)ランキングは?東海カーボンと東京エレクトロンが上位。下位には銀行など金融系が多い。
日経平均採用銘柄のROAランキングをみていきましょう。
以下はROA上位20社です。
1位は東海カーボンでROAは25.6%、2位は東京エレクトロンでROAは22.3%とともに20%超えで高い水準となっています。
またこの2社はROEでも同じく1位と2位でした。
上位11社がROA10%以上となっており、優良企業の目安を上回っています。
続いて以下はROA下位20社です。
最下位はパイオニアでROAは▲2.5%、次は東洋缶詰HDでROAは▲1.9%とともにマイナスとなっています。
これは当期純利益がマイナスであったことが影響していて、ROEランキングでも同じ順位でした。
下位20社は全て0.6%以下と低い水準となっており、銀行や証券など金融系の企業が多く、業界の特色が良く出ています。
まとめ
ROAは企業が調達したお金をいかに効率的に使って利益をあげているかを見る指標で、ROEとともに重要です。
ただROAの数字は単年の決算で大きくぶれるため、複数年計算して比較してみるとより正確性が増すと思います。
借金が多くてもROAが高い場合もありますので、流動比率や当座比率、固定比率といった貸借対照表の指標と組み合わせて見ると良いです。
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