8698 マネックスは2018年4月6日に仮想通貨交換業社コインチェックの完全子会社化を発表し、4月16日に手続きを完了しました。
コインチェックは2018年1月26日の仮想通貨NEMの不正流失によって、金融庁から業務改善命令を受け、営業を停止している状況でしたが、コインチェック子会社化のニュースはポジティブに捉えられ、マネックスの株価は大幅に上昇しています。
ここではコインチェック子会社化によるマネックスの決算への影響と株価の動きをみていきたいと思います。
⇒【決算発表の詳細を解説】
目次
コインチェックの決算内容は?NEM流出の特別損失計上も利益は63億円とマネックスに迫る数字。
マネックスは2018年4月26日に2018年3月期の決算発表を行い、その中でコインチェックの決算見込みについても以下の通り発表しました。
2018年3月期は売上高626億円でありながら、営業利益は537億円で売上高営業利益率は85.8%と驚異的な数字となっています。
また仮想通貨NEX流失による特別損失が473億円あったにもかかわらず、税引前利益は63億円でした。
マネックスの2018年3月期税引前利益は86億円ですので、特別損失があってもほぼ近い利益、特別損失が無ければマネックスの数倍を稼ぐということで市場の期待感は高まっています。
⇒【売上総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率を解説】
⇒【損益計算書の見方を解説】
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マネックス、コインチェック仮想通貨交換業の今後は?出来高減少、認可登録、訴訟と問題多い。
決算的には大きなインパクトがありそうですが、明るいニュースばかりではありません。
まずビットコインとはじめとした仮想通貨は2017年12月のピークから半値以下と暴落しており、仮想通貨の出来高はピークの1/4程度と、コインチェックが昨年のような利益がだせるかはわかりません。
またコインチェックは金融庁の登録において認可がとれていない「みなし業者」であり、今後認可が取れるかは不透明です。
最後に仮想通貨NEMの不正流出により、コインチェックは被害者からの訴訟を抱えています。
マネックスはこれらの問題を抱えながら、今後運営していくことになります。
コインチェック買収によるマネックス株価の推移は?
ここではマネックスの日足チャートで株価をみていきましょう。
コインチェック買収の噂が出た2018年4月3日には、値幅制限上限の+80円のストップ高となりました。
その後も上昇し続けて5月8日には735円の高値を付け、株価は年初の2倍以上、いまだ高値圏で推移しています。
短期的な急上昇となったため今後の値動きは読みにくいですが、現状としては10日移動平均線(ピンク色)がサポートして機能していますので、これを下抜けるまでは上昇が続いていくでしょう。
10日移動平均線を下抜けた場合には、25日移動平均線(緑色)まで値幅がありますので、ある程度の下落は覚悟する必要があります。
またATRも48円と株価の7%近くとなっていますので、トレードする際にはしっかりとしたリスク管理が必要です。
⇒【ATRの詳細を解説】
⇒【移動平均線の詳細を解説】
まとめ
ネット証券で苦戦したマネックスにとって、コインチェック子会社化は市場の期待は大きいです。
乗り越えていくべき問題は多いですが、通常通り仮想通貨交換業を運営できるようになれば、業績への寄与度は大きいでしょう。
引き続き注目していきたいと思います。
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