米国債金利の上昇が原因で2018年2月5日にダウ平均株価は1,000ドルを超える下落、日経平均も1,000円を超える下落をしました。
米国債金利がなぜ株価に影響を与えるか、理由はわかりますでしょうか?
ここでは金利と株価の関係性についてみていきたいと思います。
⇒【日経平均株価の詳細を解説】
⇒【ダウ平均株価の詳細を解説】
目次
金利と株価の関係性とは?金利が上がると株価は下がる。
一般的に金利が上がると株価は下がる傾向があります。
その理由は、金利が高ければ個人投資家はより安全性の高い預金や債券での運用にお金を回すため、株式市場から資金を引き揚げて株価は下落します。
また、金利の上昇は企業の資金調達金利の上昇となりますので、企業業績悪化により株価下落につながります。
反対に金利が下がると株価は上がる傾向があります。
その理由は、金利が低ければ個人投資家は預金や債券での運用では利益が出ず、リスクを取りに株式市場に資金が流れて株価は上昇します。
また、金利の下落は企業の資金調達金利の下落となりますので、企業業績改善により株価上昇につながります。
株価が動く要因はさまざまなものがありますが、一般的には金利と株価は逆相関の関係にあります。
⇒【株価変動の要因を解説】
米国債金利とダウ平均株価の関係性。ダウ平均株価は3%の金利を織り込み済み?
それでは米国債10年とダウ平均株価の日足チャートから関係性をみていきましょう。
赤で囲った2017年7月から2018年1月は米国債金利もダウ平均株価も上昇しており、相関性があります。
これは米国の景気改善により株価は上昇、金利も歴史的に低水準であったものが回復してきたのが要因で、一般的な逆相関関係とは逆の動きになっています。
以下は米国債10年の月足チャートですが、金利がいかに低水準にあったかがわかります。
約20年前は約7%だった金利が、2016年7月には1.36%まで下落しています。
青で囲った2018年2月以降は、ダウ平均株価は下落したのに対して、米国債10年は上昇と逆相関関係が見られます。
⇒【ダウ平均株価の詳細を解説】
米国債金利の長期的な動向は?ダブルボトム形成で上昇に要注意。
米国債10年の月足チャートから、今後可能性のある動向をみていきましょう。
金利は長期で大きく下落した後、赤線で示した部分では、ダブルボトムを形成しているように見えます。
現在は3%前後で推移していますが、今後2013年12月高値の3.03%を上抜けてくると、長期的には5%に向けて上昇する可能性が十分にあります。
過去の金利推移をみていると現在の水準が低すぎで、5%は特段高い水準ではありません。
金利が上昇すれば株価には下落要因となりますので、注意が必要です。
短期的には2018年2月の暴落で現在の金利水準は株価に織り込み済みと思われますので、金利が大きく上昇しない限りは株価への影響は少ないでしょう。
まとめ
金利と株価の逆相関についてみてきました。
2018年2月に日経平均株価が暴落したように、米国の金利がきっかけとなって日経平均株価に影響を与えることもありますので、是非米国の金利動向は注目しておいてください。
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