貸借対照表の基本的な見方をマスターしたら、次は貸借対照表から会社の財務基盤の安定性を分析していきましょう。
ここでは会社の安全性と短期的な支払い能力を示す3つの指標を解説していきます。
⇒【貸借対照表の見方を解説】
目次
自己資本比率とは?会社の安全性を示す指標で目安は40%以上。
まずは会社の安定性を示す指標である自己資本比率からみていきましょう。
自己資本比率とは、総資本(自己資本+負債)に対する返済する必要のない純資産(自己資本)の比率のことです。
数字が高いほうが安定性が高くなり、一般的に40%以上が良いとされ、70%以上は優良企業となります。
自己資本比率(%) = 純資産 ÷ 総資本 X 100
任天堂の貸借対照表を使って、自己資本比率を計算してみましょう。
青で囲った2つの数字を使って算出します。
1,323,574百万円(純資産) ÷ 1,633,748(総資本) X 100 = 81.0%
任天堂の自己資本比率は81.0%と優良企業の目安である70%を上回っています。
流動比率とは?短期的な支払い能力を示す指標で目安は150%以上。
次に支払い能力を示す指標である流動利率をみていきましょう。
流動比率とは、流動負債に対する流動資産の割合で、1年以内という短期で返済する負債に対して、支払い原資となる流動資産がどれくらいかを示します。
一般的には150%以上が良いとされ、200%以上だと優良です。
逆に100%以下だと、短期的な資金繰りに詰まる可能性があるので、資金繰りの見直しが必要となります。
流動比率(%) = 流動資産 ÷ 流動負債 X 100
7974 任天堂の流動比率を計算してみましょう。
青で囲った2つの数字を使って算出します。
1,276,764百万円(流動資産) ÷ 278,076百万円(流動負債) X 100 = 459.1%
任天堂の流動比率は459.1%と優良とされる200%を上回る、超優良な数字となっています。
当座比率とは?流動比率より厳密に短期的な支払い能力を示す指標で目安は100%以上。
流動比率には、短期的に現金化できるかわからない棚卸資産(在庫)も含まれるため、より厳密に見るには当座比率というものがあります。
当座比率とは、流動負債に対する短期的に現金化が可能な当座資産(現金、預金、受取手形、売掛金、短期有価証券など)の割合です。
当座比率は100%以上あれば良いとされています。
当座比率(%) = 当座資産 ÷ 流動負債
任天堂の当座比率を計算してみましょう。
青で囲った4つの数字を使って算出します。
1,057,815百万円(当座資産) ÷ 278,076百万円(流動負債) X 100 = 380.4%
任天堂の当座比率は380.4%と良いとされる100%を大幅に上回っています。
任天堂は現金及び預金が流動負債に対して267%ですので、短期的な支払い能力は全く問題なさそうです。
まとめ
自己資本比率、流動比率、当座比率は企業の安全性をはかる重要な指標ですので、貸借対照表で必ず確認するようにしましょう。
任天堂はどれも理想的な数字を大幅に上回る超優良企業でしたね。
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