日経平均株価やダウ平均株価などの株価指数を算出する方法として、単純平均株価方式と時価総額加重方式の2種類があります。
株価指数をみるときにはどちらの方式を採用しているのかを理解していないと、その株価指数が表す本当の意味を理解できません。
ここでは2つの算出方法についてみていきたいと思います。
⇒【日経平均株価の詳細を解説】
⇒【ダウ平均株価の詳細を解説】
目次
単純平均株価方式とは?その特徴や算出方法とは?日経平均株価やダウ平均株価で採用される計算方法。
単純平均株価方式とは、対象銘柄の株価の合計を、除数で割り戻して算出するものです。
単純平均株価方式 = 対象銘柄の株価の合計 ÷ 除数
株価平均型株価指数やダウ式平均株価指数と呼ばれることもあります。
除数とは、対象銘柄の追加や入れ替え、株式分割、合併などにより株価指数に影響が出ないように計算される数字で、都度見直しが行われ、株価指数の連続性を維持しています。
単純平均株価方式を採用している主な株価指数に、日経平均株価、ダウ平均株価があります。
⇒【日経平均株価の詳細を解説】
⇒【ダウ平均株価の詳細を解説】
時価総額加重方式とは?その特徴や算出方法とは?TOPIX、S&P 500ナスダック総合指数で採用される計算方法。
時価総額加重方式とは、基準日の時価総額の合計を基準として、対象銘柄の時価総額の合計を、除数で割り戻して算出するものです。
時価総額加重方式 = 対象銘柄の時価総額の合計 ÷ 除数
除数とは、対象銘柄の追加や入れ替え、合併などにより株価指数に影響が出ないように計算される数字で、都度見直しが行われ、株価指数の連続性を維持しています。
時価総額加重方式を採用している主な株価指数に、TOPIX、S&P 500、ナスダック総合指数があります。
⇒【TOPIXの詳細を解説】
単純平均株価方式と時価総額加重方式のメリット・デメリットとは?どちらが優れているのか?その理由は?浮動株基準株価指数とは?
どちらの方式も株価指数として値動きを簡単に把握できるというメリットがありますが、デメリットについてもみていきましょう。
単純平均株価方式では、株価が高い銘柄の影響を大きく受けるというデメリットがあります。
日経平均株価ではファーストリテイリング、ダウ平均株価ではボーイングの構成比率が極めて高くなっています。
また、株式分割が行われた際には、除数の調整が必要となります(時価総額は変わらないため、時価総額加重方式での調整は不要)。
時価総額加重方式では、株価が高い値がさ株に影響を受けることはないものの、時価総額の大きい企業の影響が大きいです。
この点はデメリットとも言えますが、時価総額を表す指標との特徴でもあります。
そのため一般的には、時価総額加重方式の方が単純平均株価方式より優れていると言われています。
時価総額加重方式で最近指摘される問題点として、親会社の保有や持ち合い株など、市場で売買されることが少ない固定株比率が多くなる点があります。
さらに、株式の持ち合いを行っている企業がそれぞれ対象銘柄となると、時価総額が2重に計上されてしまう点も問題となります。
これらを受けて、最近では算出する時価総額の合計を、取引がある浮動株に絞った浮動株基準株価指数を導入している指数も増えてきています。
TOPIXは正確には、2005年10月末から浮動株基準株価指数の導入を段階的に開始し、2006年6月末に導入を完了しています。
⇒【日経平均株価の詳細を解説】
⇒【ダウ平均株価の詳細を解説】
⇒【TOPIXの詳細を解説】
まとめ
単純平均株価方式と時価総額加重方式の違いは理解していただけたでしょうか?
それぞれにメリットやデメリットはありますが、いずれも株価の大きな流れを掴むには優れた方式ではありますので、参照する指数がどちらなのかは把握しておきましょう。
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