ボラティリティの大小を株価の値動きで判断する指標としてATRと言うものがあります。
ある銘柄に投資する際に、一日の値動きの幅を予想するのに役立ちます。
損切りまで十分な値幅があるかの確認や、保有銘柄の一日の値洗いの変動幅を前もって知ることで、リスク管理にも活用できる指標です。
ここではATRについてみてきましょう。
ATRとは?その計算方法を解説。
ATRとは、ある銘柄の一定期間における1日の最大値動きの平均値を表した指標です。
一定期間の値動きをTR(トゥルー・レンジ)といい、以下の3つの計算式のうち、最大値を採用します。
・当日高値 - 当日安値
・当日高値 - 前日終値
・前日終値 - 当日安値
ARTでは一日の最大値幅を株価で表示するため、ボラティリティより分かりやすい指標となっています。
ATRを使って具体的なチャートを見てみよう!リスク管理の考え方とは?
ATRを実際の株価チャートで確認していきましょう。
以下では6050 Eガーディアンの日足チャートを使用します。
チャート下段に赤く囲っているのがATRで、ここでは一般的な14日のATRを表示しています。
右側に赤丸で表示されている245.36が最新のATR値で、これは直近14日間の平均値から、1日で245.36円株価が変動する可能性があるということを示しています。
この銘柄を新規で取引しようとした場合で、損切り幅が245円以下ですと、1日で損切りにひっかかる可能性があり、損切り幅として十分ではないかもしれません。
またこの銘柄を100株保有していた場合には、1日で値洗いが24,536円変動する可能性があるということがわかります。
この変動幅が自分の資金量に対して大きすぎないかを考えることができ、リスク管理に役立ちます。
この銘柄の2018年4月27日終値は3,370円に対してATRは約7.3%の245.36円ですので、非常に値動きが大きくリスクの高い銘柄であることがわかります。
⇒【損切りの詳細について解説】
上昇トレンド、下降トレンド時のATRの使い方とは?
ATRは株価のトレンドとあわせて使用するとトレードに活かしやすいです。
同じく6050 Eガーディアンの日足チャートを使用すると、赤丸で囲った箇所は上昇トレンドであり、ATRも上昇しています。
上昇トレンド時にATRも上昇すると、短期的に株価は上昇しやすく、買いエントリーで値幅が取れる可能性があります。
上昇トレンド時にATRが下落すると、買い圧力が弱まっていることのサインとなりますので、その後株価は持ち合いか下落に転換する可能性があります。
反対に下降トレンド時にATRが上昇すると、短期的に株価は下落しやすく、売りエントリーで値幅が取れる可能性があります。
下降トレンド時にATRが下落すると、売り圧力が弱まっていることのサインとなりますので、その後の株価は持ち合いか上昇に転換する可能性があります。
⇒【トレンドの詳細を解説】
⇒【移動平均線の詳細を解説】
まとめ
ATRは値幅を予想するのに非常に優れた指標です。
損切り幅だけではなく、ATRも意識して保有銘柄や株数を調整すると、相場が逆方向に動いた際にどれくらい値洗いが悪化するのかの参考になります。
便利な指標ですので、是非取り入れてみてください。
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