富士フイルムとゼロックスは2018年1月に買収に合意したと発表しましたが、その後ゼロックスの大株主2名の反発により難航していました。
そんな中、日本時間2018年5月14日にゼロックスは富士フイルムの買収撤回を発表しました。
今回はその経緯と富士フイルムの株価の動きをみていきたいと思います。
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目次
富士フイルム、ゼロックス買収の合意内容と難航の理由。買収金額やスキームは?物言う株主のアイカーン氏、ディクソン氏が反発。
富士フイルムは2018年1月31日に、アメリカニューヨーク証券取引所に上場するゼロックス株の50.1%を取得し、ゼッロクスと富士ゼロックスを統合すると発表しました。
しかしながらこの買収合意に対して、ゼロックスの大株主であるカール・アイカーン氏とダーウィン・ディーソン氏が、ゼロックスの価値を過小評価していると反発し、買収が難航していました。
反発する理由としては、富士フイルムは富士ゼロックス株75%売却金額約6,710億円でゼロックス株50.1%を取得する内容となっており、富士フイルムはキャッシュアウト無い条件だからです。
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ゼロックスは富士フイルムの買収撤回を発表。その理由とは?プロキシーファイト(委任状争奪戦)とは?
ゼロックスの株主2名とゼロックス経営陣は合意できず、2018年6月13日の株主総会ではプロキシーファイトが繰り広げられる予定でした。
今回のプロキシーファイトとは、買収に反対する株主が富士フイルムの買収無効化を株主総会で可決させるため、議決権行使にかかわる他の株主の委任状を経営陣と争うことです。
今回の買収撤回発表の背景には、買収に反対する株主とゼロックス経営陣は和解、経営陣を刷新することも合意しました。
ゼロックスは撤回の理由について、富士フイルムが期限の2018年4月15日までに適切な財務情報を開示しなかったとしている。
これに対して富士フイルムは、一方的に合意内容を撤回する権利はないとして、法的手段を辞さない姿勢を示し、事態は泥沼化しそうな状況です。
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富士フイルム、ゼロックス買収撤回による株価への影響は?
以下は富士フイルムの株価日足チャートです。
ゼロックスの買収を発表した2018年1月31日の株価は、前日比▲380円(▲8.3%)の4,190円で引け、買収を好感している反応ではありませんでした。
その後も緩やかに安値を切り上げながら株価は推移し、買収撤回が発表された5月14日14時03分現在は前日比+55円(+1.3%)と、発表の影響はみられていません。
移動平均線を見ると、10日(ピンク色)、25日(緑色)、75日(水色)すべての移動平均線が下向きであるため、下降トレンドとなっています。
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まとめ
まだ一方的にゼロックスから買収撤回の発表があったのみで、市場もこの発表をどう評価しているか判断しかねているようです。
今後富士フイルムの動きに注目したいと思います。
買収発表後に富士フイルムの株価は大きく下落し、その後も下降トレンドが続いていますが、今回の買収無効化がどう影響するのかも注目です。
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