JT株価上昇・下落の可能性。カナダ・ケベック州での訴訟で敗訴、賠償金支払い命令の影響は?

日本たばこ産業(JT)は2019年3月2日(土)、子会社であるJTI-Macdonald Corp.がカナダ・ケベック州での控訴裁判において敗訴し、約17.7億カナダドル(約1,480億円)の支払いを命じられたことを明らかにしました。

JTの株価は2018年末の安値から回復を試している最中であり、3月4日(月)以降下落する可能性があります。ここではJTの株価の動きと敗訴についてみていきたいと思います。

⇒【JT2018年12月決算見通し下方修正

JT株価の値動き 

JTの3月1日の株価は、前日比▲14.5円(▲0.5%)の2,818.5円で取引を終了しました。カナダでの敗訴のニュースは週末に発表されたため、株価への影響が出るのは3月4日以降となります。

2018年のJTの株価は3,000円前後での方向感のない値動きが続いていましたが、年末には一気に下落し、12月26日には年初来安値となる2,481円を付けました。そこからは上昇に転じており、現在は再び2018年のレンジ圏内に戻っています。

⇒【JT「プルームテック」販売好調で業界2位へ

JT株価テクニカル分析 

JTの株価を移動平均線で見ていくと、現在は10日移動平均線(ピンク色)を割り込んでいます。ただ25日移動平均線(緑色)と75日移動平均線(水色)はゴールデンクロスを完成していますので、この2本の移動平均線が位置する2,800円近辺で反発することができれば、再び上昇に向かっていく可能性は高いでしょう。

しかしながら2本の移動平均線を割り込んでしまうと、2月8日安値2,662.5円がターゲットとなってきます。カナダでの敗訴の影響がどの程度あるのか注目です。

⇒【「大東建託」アパートオーナーとトラブル

JTカナダで賠償金支払い命令 

JTの子会社であるJTI-Macdonald Corp.は1998年にたばこの製造と販売で健康被害を受けたとして、カナダ・ケベック州の住民に訴訟を起こされていました。2015年の一審判決で裁判所は住民らの主張が認められ、敗訴していましたが不服として控訴。

しかしながら今回の第二審判決でも敗訴し、約17.7億カナダドル(約1,480億円)の支払いを命じられています。

JTは現在敗訴の内容を精査中であり、上告も含めて検討していくとのニュースリリースを発表しています。

⇒【タカタの元社員がインサイダー取引

JT決算見通し・配当利回り 

JTの2019年12月期決算見通しは売上高が前期比▲0.7%の2兆2,000億円、当期純利益が前期比▲4.1%の3,700億円を見込んでいます。今回の賠償金約1,480億円の業績に与えるインパクトはかなり大きいと言えるでしょう。

JTの株は配当利回りが5.5%と高く人気で、個人投資家から根強い人気となっています。配当利回りから考えると株価はかなり割安な水準となっており、今回の敗訴判決のよって株価が下がることがあっても、個人投資家が買い支えて下値は限定的となる可能性もありそうです。

⇒【高配当株を長期保有する際の6つのポイント

まとめ 

JTの子会社はカナダでの裁判に敗訴し、約1,480億円の賠償金支払いを命じられました。今後の対応は協議していくものの、株価にどの程度影響を与えるのか注目です。

JTの株価は2018年末安値からの回復を試している最中であり、移動平均線でサポートされるのかがポイントとなります。

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