スルガ銀行の2019年1月11日の株価は、前日比+13円(+3.1%)の433円と、2018年12月25日に付けた年初来安値374円から反発しています。
そんな中、日本経済新聞(日経新聞)が1月14日に『地銀波乱① スルガ銀救った「預金支援」」という記事を掲載し、約7,000億円の預金流出によって倒産の危機があったことを明らかにしました。
ここでは日経新聞の記事とスルガ銀行の株価の動きについてみていきたいと思います。
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スルガ銀行預金流出で倒産の危機
日経新聞が1月14日に掲載した「地銀波乱①」では、2018年秋に地方銀行を所轄する金融庁の銀行第2課が主な地方銀行に対して、スルガ銀行への500億円以上の預金を打診したことを明らかにしています。
スルガ銀行はシェアハウス向け不正融資が発覚した後、2018年4月~9月期に6,737億円の預金が減少し、これは全預金残高の16%に相当します。預金の大半を収益不動産向けを中心とした融資に回していたため、手元に換金可能な有価証券は少なく、これ以上預金残高が減少すれば倒産する可能性もある水準だったようです。
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スルガ銀行2019年3月期決算見通し
スルガ銀行の2019年3月期決算見通しは、売上高は未定、当期純損失は▲975億円(前期は▲69億円)となっています。スルガ銀行は2018年10月5日の金融庁からの行政処分で、2018年10月12日~2019年4月12日まで新規の投資用不動産融資を停止するとなっており、現在の見通し以上に決算が悪化する可能性もありそうです。
その後も預金の流出は続いているのか、今後の決算発表に注目です。
スルガ銀行、不動産向け融資元本減額の可能性
スルガ銀行はシェアハウス「かぼちゃの馬車」向け不正融資の問題で、投資家から元本の減額などを求められている状況です。これについては訴訟以外での「金融ADR」を活用して、対応していく方針を示しており、元本減額に応じるようであれば決算を更に下方修正する可能性があります。
またスルガ銀行は2018年末に収益不動産向けで融資をしている全ての投資家に対して、不正融資があったのかを調査するアンケートを実施しており、この結果を受けてどのように対応するのか注目です。
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スルガ銀行株価の値動き
スルガ銀行の株価は2018年12月15日に年初来安値となる374円を付けた後、反発していますが、日経新聞の記事を受けてどのような反応を見せるのか注目です。
テクニカルにはすべての移動平均線が下向きとなっており、下降トレンドが継続しています。目先は25日移動平均線(緑色)が位置する450円近辺を突破できるのか注目です。
一方で10日移動平均線(ピンク色)が位置する412円近辺を下抜けするようだと、再び年初来安値を目指す可能性があり、注意が必要です。
まとめ
日経新聞が「地銀波乱①」の記事で、スルガ銀行の預金流出と倒産の危機があったことを明らかにしました。2019年3月期決算は赤字見通しとなっていますが、今後も下方修正の可能性があり、目が離せません。
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