長引く低金利や人口減少によって経営難が続く地方銀行。生き残りのためにはコスト削減への着手が急務となっています。
そんな中、鳥取銀行は支店の再整備を行うことを発表しましたが、利便性低下を懸念した鳥取県日南町が預金を全額解約するという行動に出ました。
ここでは鳥取銀行の株価への影響や値動き、日南町の預金解約、鳥取銀行の業績についてみていきたいと思います。
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目次
鳥取銀行2018年9月以降の株価の値動きは?年初来安値更新で下降トレンドを形成。
2018年8月31日の鳥取銀行の株価は、前日比▲16円(▲1.0%)の1,661円で取引を終了しています。以下は鳥取銀行の日足チャートです。
2018年の鳥取銀行の株価は、2月2日に年初来高値となる1,885円を付けた後は下降トレンドを形成し、7月17日には年初来安値となる1,624円を付けました。
その後も引き続き安値圏での推移となっています。
テクニカルには、一時的に株価が上昇する局面でも75日移動平均線(水色)が上値の抵抗となり、なかなか突破できない状況が続いています。
現在は25日移動平均線(緑色)近辺での値動きとなっていますが、ここを維持できなければ更に下落していく可能性は高く、年初来安値更新の可能性もありそうです。
株価が上昇に向かうためには終値ベースで明確に75日移動平均線を突破する必要がありますが、それには何らかの材料が必要で時間を要しそうです。
しばらくは安値を警戒した値動きが続くでしょう。
鳥取銀行6店舗を整備。日南町の増原聡町長は預金を全額解約、給与振込口座の変更も呼びかけへ。
鳥取銀行は2018年8月29日、5店舗の移転と1店舗の統合を発表しました。
移転する5店舗のうち、鳥取県日南町にあった生山支店は2019年1月21日付けで鳥取県日野町にある根雨支店内に移転する予定となっており、これに日南町が反発した形となっています。
日南町の増原聡町長は鳥取銀行に預けていた約5億6,000万円の預金を全額解約し、他の2行に送金。
また日南町の町職員に向けて給与の振込口座を鳥取銀行から他の銀行に変更するように呼びかけています。
地方銀行の経営が厳しい中、いかに地方密着で収益をあげていくかが重要となってきます。
本来であれば協力していくべき役所と地方銀行が対立し、注目を集めています。
鳥取銀行2018年3月期決算は減収減益。2019年3月期見通しも大幅減益で、当期純利益は10億円を割り込む予定。
鳥取銀行の2018年3月期決算は、売上高が前期比▲4.8%の154億円、経常利益が前期比▲5.2%の18億円、当期純利益が前期比▲15.5%の11億円と、減収減益となっています。
2019年3月期決算見通しは、売上高は公表していないものの、経常利益が前期比▲18.8%の15億円、当期純利益が前期比▲18.6%の9億円と、大幅な減益を見込んでおり、当期純利益は6年ぶりに10億円を割り込む見通しとなっています。
このような状況の中、コスト削減のために店舗再編に取り掛かりましたが、日南町から理解が得られず、預金の解約や今後、給与口座を変更される可能性があり、厳しい状況が続きそうです。
鳥取銀行2018年9月以降株価上昇・下落の可能性まとめ
鳥取銀行は株価も業績も厳しい状況にあり、2019年3月期決算見通しの当期純利益は10億円を割り込む予定となっています。
コスト削減のために店舗再編を行いましたが、日南町からの理解は得られず、対立する構図となっています。
地方銀行が経営を立て直すためには地元の協力は不可欠であり、今後の対応に注目が集まります。
株価は安値圏での推移となっており、日南町の動きもネガティブに働く可能性が高く、安値を警戒した値動きが続きそうです。
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