宅配ボックス設置規制緩和が宅配業者(ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便)に与える影響やメリットは?人手不足問題が解消し、株価上昇、決算上方修正の可能性は?

国土交通省は、宅配ボックスの規制緩和を行い、すべてのマンションやアパートなどに設置しやすくする方針であることが明かになりました。

宅配ボックスの設置が進めば、宅配業者に与える影響は大きいです。

ここでは宅配ボックス規制緩和と宅配業者に与える影響についてみていきたいと思います。

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宅配ボックス設置の規制緩和、その背景や理由とは? 

国土交通省は2018年9月に建築基準法を改正して、宅配ボックスの設置を促す方針です。

今回国土交通省が宅配ボックスの規制緩和に乗りだした背景には、宅配業者の人手不足があります。

アマゾンをはじめとしたインターネットショッピングが一般的になってきており、宅配業者は深刻な人手不足に悩まされています。

晩婚化や単身世帯の増加により、宅配時には不在となることが多く、再配達の割合も上昇し、人手不足の原因となっています。

宅配ボックスの設置が進めば、宅配業者の再配達回数が少なくなり、人手不足問題が解消することが期待されます。

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ヤマト運輸、宅配ボックス設置規制緩和の株価や業績への影響は? 

宅配で約半分のシェアを持つヤマト運輸は2017年10月に宅急便の値上げを行いました。

値上げによって業績は改善し、株価は上昇基調となっています。以下はヤマトホールディングスの日足チャートです。

チャート的にもきれいな右肩上がりの上昇トレンドを形成しており、25日移動平均線(緑色)や75日移動平均線(水色)がサポートラインとなっています。

今度宅配ボックスの設置が進めば、大きくコスト削減となるため、業績改善が期待されます。

ヤマトホールディングスの2019年3月期決算見通しは、売上高が前期比+5.0%の1兆6,150億円、経常利益が前期比+69.0%の610億円、当期純利益は前期比+97.5%の360億円を見込んでいます。

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日本郵政、宅配ボックス設置規制緩和の株価や業績への影響は? 

ヤマト運輸の宅急便値上げによって、シェアを大きく伸ばしたのは日本郵便です。

日本郵便の株価はあまり方向感がつかみづらい展開です。以下は日本郵政の日足チャートです。

6月22日に付けた年初来安値1,200円からの上昇を試しています。10日移動平均線(ピンク色)と25日移動平均線(緑色)が上向きとなっており、今後の上昇が期待されます。

日本郵政の2019年3月期決算見通しは、売上高が前期比▲4.4%の12兆3,500億円、経常利益が前期比▲28.0%の6,600億円、当期純利益が前期比▲28.4%の3,300億円を見込んでいます。

減収減益と厳しい状況ですが、宅配便の取扱いシェアは伸ばしており、今後宅配ボックスの設置が進めばコスト削減の影響が出てくる可能性があります。

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SGホールディングス(佐川急便)、宅配ボックス設置規制緩和の株価や業績への影響は? 

宅配便取扱3位は佐川急便で、親会社のSGホールディングスは2017年12月に東証1部に上場しました。

上場後は緩やかな上昇トレンドを形成しており、高値圏での推移となっています。以下はSGホールディングスの日足チャートです。

テクニカルには3本の移動平均線が上向きとなっており、株価は上昇に向かいやすいチャートです。5月25日高値2,650円、2月2日の年初来高値2,675円を超えられるか注目です。

SGホールディングスの2019年3月期決算見通しは、売上高が前期比+2.9%の1兆750億円、経常利益が前期比+7.1%の695億円、当期純利益が前期比+9.7%の395億円を見込んでいます。

増収増益と順調な決算となっていますが、宅配ボックス設置によって、さらなる業績向上が期待されます。

⇒【ファンダメンタル分析とテクニカル分析を解説

宅配ボックス設置規制緩和が宅配業者(ヤマト運輸、日本郵便、佐川急便)に与える影響まとめ 

宅配ボックス設置の規制緩和は、宅配業者にとっては良いニュースとなります。

短期的に宅配ボックスの設置が一気に進むことはありませんが、長期的なメリットは大きいでしょう。

今後の動向や影響に注目です。

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