1928 積水ハウスは2017年に土地取引の詐欺被害で約63億円をだまし取られ、55億円の特別損失を計上しましたが、この事件を受けて積水ハウスの株主は当時の社長であった阿部俊則会長を提訴しました。
ここではその提訴の内容と、積水ハウスの今後の株価の動きについてみていきたいと思います。
目次
積水ハウス会長阿部俊則が株主から提訴。大阪地裁で第1回口頭弁論開催へ。土地取引の詐欺の詳細とは?
積水ハウスは2017年4月に、東京都内の土地を所有者と名乗る女性と売買契約を締結し、その後土地代金として約63億円を支払いました。しかしながら、その後契約書類の偽造が発覚し、法務局への所有権移転登記申請が却下されたことで、詐欺であることが発覚しました。
積水ハウスはこの詐欺被害で55億円の特別損失を計上。積水ハウスの2018年1月期決算の当期純利益は1,332億円で、被害総額は約4%に相当します。
今回積水ハウスの株主は、当時社長で現地も訪問し最終的な決裁を行った阿部氏に対して、経営判断が誤っていたとして訴訟を起こしました。第1回の口頭弁論が大阪地裁で2018年7月13日に行われ、会長側は請求の棄却を求めました。
今後の動きに注目です。
積水ハウス株価、2018年7月以降上昇の可能性は?日足チャートのテクニカル分析は?
積水ハウスの株価の動きをみていきましょう。以下は日足チャートです。
2018年に入り1月25日に2,176.5円の高値を付けた後、株価は下落しています。ここ最近は6月11日に安値1,847円を付けて、上昇を試している状況です。
テクニカルには3本の移動平均線はほぼ横ばいとなっており方向感がない状況ですが、短期移動平均と長期移動平均線がデッドクロスを完成しており、更なる下落に要注意です。まずは6月11日安値1,847円を維持できるかがポイントとなります。
6月11日安値を下回ると、3月8日安値1,798円が目安となります。ここを下回ると長期的な下降トレンドとなる可能性が高いです。
株価が上昇に向かうためには、75日移動平均線(水色)が位置する1,955円を回復できるかがポイントとなりますが、上昇に向かうには時間を要しそうです。
積水ハウスのPER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)・配当利回りは割安な水準へ。
積水ハウスのPER(株価収益率)は9.7倍と市場平均より割安な水準となっています。PBR(株価純資産倍率)も1.1倍と割安な水準にあると言えるでしょう。
2019年1月期の配当は79円を予定しており、配当利回りは4.2%と高水準となっています。これらの指標からみると下値での買い意欲は強くなる可能性はあるかもしれません。
積水ハウス2018年7月以降株価上昇の可能性まとめ
積水ハウスの株主が会長を提訴した問題は、今後の動きに注目が集まります。
株価は2018年に入り下降トレンドとなっており、PER・PBR・配当利回りから見る株価は割安な水準とはなっていますが、チャート的には上昇に向かうには時間を要しそうです。まずはしっかりと安値を維持できるかがポイントとなります。
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