東証マザーズ指数が軟調に推移しており、2018年6月25日には年初来安値を更新しました。小型株や新興市場株を中心にトレードしている投資家には、厳しい相場環境となっています。2017年の東証マザーズ指数は大きく上昇した一年となりましたが、2018年はなぜ軟調な展開となっているのでしょうか?
ここでは東証マザーズ年初来安値更新の理由と、日足チャートから今後の指数の値動きについてみていきたいと思います。
目次
東証マザーズ指数年初来安値更新へ。日足チャートや移動平均線からみる指数の値動きや今後の予想は?
2018年6月25日の東証マザーズ指数は、前日対比▲33ポイント(▲3.0%)の1,073ポイントで取引を終了しました。一時1,070ポイントの安値を付け、6月20日に付けた年初来安値1,071ポイントをわずかに更新しています。
2018年の東証マザーズ指数は1月24日に1,367ポイントの高値を付けた後、下降トレンドに転換しています。10日(ピンク色)・25日(緑色)・75日(水色)の3本の移動平均線はすべて下向きとなっており、弱いチャートとなっています。
今の水準を維持できないとなると、節目となる1,000ポイント近辺まで下落の可能性があり注意が必要です。上昇に向かうためには、一旦は25日移動平均線が位置する1,130ポイント近辺まで回復する必要があります。
東証マザーズ指数、そーせいやブライトパスなどバイオ関連銘柄軟調が影響して年初来安値更新へ。市場の注目は人工知能(AI)など。
東証マザーズ指数が年初来安値を更新した要因は、バイオ関連銘柄が軟調に推移していることがあげられます。4565 そーせいグループの株価は年初から約38%、4594 ブライトパスバイオの株価は年初から約50%下落しており、東証マザーズ指数に大きな影響を与えています。
新興市場銘柄はその時注目されている業界に売買が集中しやすいという特徴があり、今年は人工知能(AI)関連の銘柄が物色されています。バイオ関連銘柄は売買対象から外れやすい状況で、個別銘柄でも新規の材料が無いことから、株価の下落率は大きくなっている銘柄が多いです。
メルカリなどIPO(新規上場)銘柄が東証マザーズ指数に組み込まれる時期は2018年7月末?
2018年一番の注目を集めたメルカリが6月19日に東証マザーズに上場しました。メルカリの株価は、上場日当日に高値を付けた後、下落していますが、引き続き売買代金は大きく、東証マザーズ上場銘柄でも新規に上場した銘柄の注目度が高くなっています。
メルカリ以外にも2018年6月に新規上場した銘柄であるZUU、ログリーなどが、売買代金ランキングでは上位に入っています。
これらメルカリなどの新規上場銘柄が、東証マザーズ指数に組み込まれるのは2018年7月末で、それまでは指数に影響は与えません。投資家の関心が新規上場銘柄に移っている中では、東証マザーズ指数は下値を探る展開が継続する可能性は高そうです。
東証マザーズ指数年初来安値更新、バイオ関連銘柄軟調が要因まとめ
小型株や新興市場銘柄をトレードする投資家にとって2017年は相場状況が良かったですが、2018年は厳しい環境となっています。東証マザーズ上場銘柄でも、バイオ関連銘柄の下落率が大きいなど、業界や個別銘柄によって株価の動きは大きく異なりますので、銘柄の選定がより重要になっていきます。
上昇トレンド銘柄の押し目買いなどを狙いながら、安値を更新したら損切りを行って資金やリスク管理をしていくのが良いと思います。日経平均株価も23,000円台を目前に停滞していますが、2018年後半には再度高値をトライする局面もあると思いますので、市場全体が回復するまでは我慢の時間が続きそうです。
<こんな記事も読まれています>
⇒【ワールドカップの経済効果、日経平均株価やビットコインに与える影響を解説】
⇒【メルカリ東証マザーズ上場、時価総額は一時8,000億円超えへ】
この記事へのコメントはありません。