9603 HISの株価が10日連続陰線と大幅下落中となっています。旅行需要は堅調に推移していた中で、なぜHISの株価は軟調に推移しているのでしょうか?
ここではHIS株価下落の要因、決算の状況、日足チャートから株価値動きの推移についてみていきたいと思います。
目次
HIS(エイチアイエス)原油高・円安で業績悪化懸念。年初来安値更新へ。日足・週足チャートによる値動き予想は?
以下はHISの株価日足チャートです。2017年11月30日高値4,250円をピークに、下降トレンドが継続しています。直近10営業日は連続で陰線引けと売り圧力が強く、6月25日には3,250円と2017年8月以来の安値を付けました。
テクニカルには10日(ピンク色)・25日(緑色)・75日(水色)の3本の移動平均線が下向きとなりデッドクロスを完成しています。チャート上節目となる2018年5月2日安値3,580円、2018年3月26日安値3,515円、2017年9月22日安値3,360円、2017年8月21日安値3,275円を全て下抜けしていることから、チャート的にはかなり弱いチャートとなっています。日足チャートでは次の節目となる価格帯が無く、どこまで下落するかわからない状況です。
以下はHISの株価週足チャートです。週足では赤線で示した2017年6月に付けた安値3,040円を維持できるがポイントとなります。このロウソク足では大きく窓開けしているため、3,040円を下抜けするようだと下落が加速する可能性が高いです。現在の株価から200円以上離れていますが、下落スピードが速いので一気に到達する可能性もあります。
HIS(エイチアイエス)原油高・円安で業績悪化懸念。その詳細とは?JAL(日本航空)・ANA(前日本航空)は燃油サーチャージ値上げ申請へ。
HISの株価が急落している要因は何なのでしょうか?それは想定レート以上の円高と原油高による燃油サーチャージ価格上昇による、旅行客数減少です。HISが保有するドル建て資産は期末の為替レートに応じて為替差損益が発生します。前期末のドル円のレートが113円と現在は円高に推移していることから、為替差損の発生が懸念されています。
また燃油サーチャージについては、JAL(日本航空)・ANA(前日本航空)が値上げを申請し、2018年8月以降発券分から反映される可能性が高いです。特に値上がりの影響が大きいのが長距離の欧米路線、HISは欧州路線が利益上昇要因と1つとしていたために、マイナスの影響は大きそうです。
HIS(エイチアイエス)2018年度決算見通しとは?PER水準は競合と比較して割高か?
HISの2018年10月期決算見込みは売上高が前期比+18.8%の7,200億円、当期純利益が前期比▲31.4%の91億円となっています。今後夏休み需要をしっかり取り込めるかが、決算見通し達成のためのポイントとなります。
PERは20.6倍と競合と比べて割高感はなく、今後の下落余地は少ないとの意見もあり、今後の値動きに注目です。
HIS(エイチアイエス)株価年初来安値更新の理由まとめ
これから夏休みを控え、旅行会社には重要な時期に差し掛かっています。この時期に燃油サーチャージの値上げはマイナスポイントとなりますが、どこまで夏休みの旅行需要を取り込めるかが、HISの決算達成に向けたポイントとなります。
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