TATERU(タテル)、GA technologies株をSBI証券に売却、23億円の有価証券売却益計上。株価・業績への影響は?

西京銀行に対して顧客の預金残高を改ざん・水増ししたことが話題となっているTATERUは、2018年9月10日ニュースリリースで、保有するGA technologiesの株式を売却したことを発表しました。

このタイミングでの株売却にはどのような意味があるのでしょうか?

ここではTATERUのGA technologies株売却、株価や業績の影響についてみていきたいと思います。

⇒【上場企業のTATERUが不正融資に関与

TATERU、GA technologies株をSBI証券に売却へ 

TATERUはGA technologies株7.88%を保有していましたが、全株式をSBI証券に売却し、2018年12月期第三四半期に23億4,000万円の投資有価証券売却益を計上することを発表しました。

ただ通期の業績予想については、その他に要因についても含めて精査中であり、今後修正する場合には開示するとしています。

「その他の要因」という形でぼかしてはいますが、TATERUは西京銀行に対して顧客の預金残高を改ざん・水増し、見せ金を無利息融資したことが問題となっており、詳細を調査中となっています。

スルガ銀行の不正融資が大きな問題となっており、TATERUも不正融資に関与していたとなると、今後の業績に与える影響は大きそうです。

今回のTATERUのGA technologies株売却は、不正融資問題に備えた措置である可能性が高いでしょう。

引用:TATERU 投資有価証券売却益(特別利益)の計上に関するお知らせ

⇒【TATERU、特別調査委員会を設置へ

TATERU、ロックアップ期間中にGA technologies株売却。不正融資問題は相当深刻? 

GA technologiesは2018年7月25日に東証マザーズに上場したばかりで、TATERUは代表取締役社長の樋口龍、合同会社GGAに次いて第3位の株主でした。

引用:GA technologies 自己株式処分届出目論見書の訂正事項分 平成30年7月(第2回訂正分)

GA technologiesの株式上場によって、TATERUを含む主要株主は、2019年1月20日まで180日間のロックアップ期間が設定されていましたが、異例のロックアップ期間中の株式売却となっています。

引用:GA technologies 自己株式処分届出目論見書の訂正事項分 平成30年7月(第2回訂正分)

ロックアップ期間中に株式を売却したことを考えると、TATERUの不正融資関与の問題は、相当深刻なのかもしれません。

TATERUの2018年12月見通しは、売上高が前期比+14.3%の766億円、経常利益が前期比+21.1%の70億円、当期純利益は前期比+20.5%の48億円となっています。

今回の売却益約23億円はTATERUの決算から考えると、相当大きな金額です。

すでに契約済みのアパートオーナに対する違約金等の支払いで、現金が必要になって売却したという可能性もありそうです。

今回の株式の売却は市場外での売却でSBI証券が買い取りしていますが、今後市場で売却されていくのでしょうか。

GA technologiesは先日SBJ銀行と共同で融資審査を最短1日で完結するシステムを開発しているため、SBJ銀行が出資する可能性もあるかもしれません。

⇒【SBJ銀行、不動産向けローンの審査を最短1日へ

TATERU、GA technologiesの株価の値動き 

TATERUの2018年9月10日の株価は、前日比▲12円(▲2.4%)の490円で取引を終了しています。

9月6日に付けた年初来安値467円は維持していますが、今回のGA technologies株売却によって、不正融資問題が深刻であると捉えられ、さらに安値を更新してく可能性はありそうです。

GA technologiesの株価は前日比▲490円(▲5.8%)の7,980円で取引を終了しています。

TETERUは市場外で売却しているため、直接的な株価への影響はありませんが、市場がどのように評価していくのか注目です。

⇒【TATERU2日連続ストップ安、どこまで下落するか?

まとめ 

TATERUの不正行為は特別調査委員会を設置して調査中となっていますが、今回のGA technologies株売却は、不正行為の影響に備えた可能性が高そうです。

今後TATERUの不正行為が確認され、アパート向けに融資が出なくなってしまうと、業績に与える影響は大きいでしょう。

現在契約中のアパートオーナーに対しても、違約金の支払いで現金が必要になって、株式の売却に踏み切ったのかもしれません。

今後TATERUの不正行為の調査結果に注目です。

<こんな記事も読まれています>

⇒【TATERU倒産の可能性を分析
⇒【上場企業のTATERUが不正融資に関与
⇒【西京銀行とTATERUの関係性とは?
⇒【TATERUと本田圭佑の関係は?
⇒【「かぼちゃの馬車」問題を解説
⇒【元FC東京・平山選手「かぼちゃの馬車」被害に
⇒【シノケン、TATERUの報道で株価大幅下落
⇒【TATERU3日連続ストップ安で制限値幅拡大
⇒【スルガ銀行倒産・静岡銀行と合併?
⇒【静岡銀行・スルガ銀行のビジネスモデル比較
⇒【スルガ銀行、調査報告書の決算への影響

関連記事

  1. 富士フイルム、ゼロックスの経営統合撤回により法的手段も検討。買収合意も金額やスキームでゼロックス株主…

  2. コンビニ大手3社(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン)株で利益を上げるためのポイントや注目点…

  3. IHI、2018年8月以降株価上昇の可能性は?東京国税庁から100億円申告漏れの指摘で、43億円の追…

  4. メルカリ上場(IPO)時のオーバーアロットメント(売出)・グリーンシューオプションの意味とは?公開価…

  5. 伊藤忠2018年9月以降株価上昇・下落の可能性は?西友の買収の検討か?資本提携先のドドンキホーテ、傘…

  6. メルカリ2018年8月以降株価上昇の可能性は?黒字化のタイミングは?2018年6月期決算は赤字幅拡大…

  7. スルガ銀行のシェアハウス不正融資問題が株価や業績に与える影響を解説。チャートは下降トレンド形成中。純…

  8. KDDI(au)、ネットフリックスと提携へ。その内容詳細や開始時期は?業績や株価への影響は?

  9. JT(日本たばこ産業)2018年8月以降株価上昇の可能性は?加熱式たばこ「プルーム・テック」販売40…

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

おすすめ記事

おすすめ記事

  1. 「小僧寿し」株価上昇・下落の可能性。債務超過で上場廃止の猶予期間入りへ。
  2. 「FIP投資顧問」行政処分勧告。KAZMAX(カズマックス)サロンへの影響は?
  3. 鳥貴族株価上昇・下落の可能性。2019年7月期決算赤字転落の影響は?
  4. みずほ銀行株価上昇・下落の可能性。2019年3月決算大幅下方修正の影響や原因は?…
  5. 「五洋インテックス」株価上昇・下落の可能性。週足チャート逆三尊形成で反発期待。

人気記事

PAGE TOP