ポーラ・オルビスホールディングス(HD)の株式持分と美術品に関する訴訟問題が再発しています。鈴木郷史社長に対して、2代目社長であった鈴木常司(鈴木社長の叔父、2000年に死亡)氏の妻が、鈴木社長の保有する株式の大部分は、妻が相続する遺産だったとして民事訴訟を起こしています。
ここではポーラ・オルビスHDの訴訟内容の詳細、株価の動きについてみていきたいと思います。
目次
ポーラ・オルビスホールディングス鈴木社長の株式持分の相続かかわる訴訟の詳細とは?
鈴木常司氏の妻は、鈴木社長が保有するポーラ・オルビスHDの株式の内、約4,191万株の法定相続分3/4にあたる約3,143万株は自分のものであることの確認を求めています。ポーラ・オルビスHDの2018年8月3日終値4,230円で訴訟金額を算出すると、1,329億円に相当します。
鈴木常司氏の妻と鈴木社長は、2008年頃に当時486億円の遺産相続をめぐって、100件以上の訴訟を繰り広げた上、最終的には和解しました。しかしながら、ポーラ・オルビスHDの元幹部が、鈴木常司氏が無くなった後に、鈴木社長がポーラグループ会社の株式の譲渡契約書を生前に作ったようにねつ造し、それが現在のポーラ・オルビスHDの株式約4,191万株になったとの内部告発がありました。
この内部告発をうけて鈴木常司氏の妻は、遺産相続について新たな疑惑が発生したとして、鈴木社長を相手に訴訟を起こしています。
ポーラ・オルビスホールディングス鈴木社長の相続については和解済みも再度提訴。ポーラ美術館の美術品についての訴訟も。
第一回の口頭弁論が8月3日に行われ、鈴木社長の代理人は、相続は既に解決・和解済みとしています。これに対して妻の代理人は、和解時にはしらなった新事実が発覚したとして、反論しています。
鈴木常司氏の遺産相続をめぐっては、これだけでなく、ポーラ美術館にある美術品839品についても、妻が本来相続すべきだったと主張しています。こちらの口頭弁論は8月27日に予定されています。
過去にも多数の訴訟を行い和解した両者が、再び裁判を行うという泥沼の展開となりつつあります。
ポーラ・オルビスホールディングスの株価上昇の可能性は?日足チャート的には下落に向かいやすいチャート。
ポーラ・オルビスHDの2018年8月3日の株価は、前日比+15円(+0.4%)の4,230円で取引を終了しており、特に相続問題の訴訟の影響は出ていません。以下はポーラ・オルビスHDの日足チャートです。
2018年のポーラ・オルビスHDの株価は、年初上昇トレンドを形成しており、5月31日には5,410円の年初来高値を付けました。その後は大きな下落調整となり、年初来高値から約20%の下落となっています。
テクニカルには、3本の移動平均線が下向きとなっており、10日移動平均線(ピンク色)と25日移動平均線(緑色)がそれぞれ75日移動平均線(水色)とデッドクロスを完成しており、下落しやすいチャートとなっています。
ひとまずは3月26日に付けた安値4,140円を維持することができるのかがポイントです。それを下抜けると、次は4,000円前後の攻防となります。ここから株価が上昇に向かうためには、75日移動平均線を突破する必要がありますが、時間を要しそうです。
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ポーラ・オルビスホールディングス2018年8月以降株価上昇の可能性まとめ
ポーラ・オルビスHDは10年前に和解済みの親族による相続問題が再燃しています。訴訟が長期化すれば、株価や業績に与える影響は大きそうです。
株価は年初来高値から大きな下落調整となっており、チャート的には下落に向かいやすい形となっています。
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