百貨店業を営む井筒屋は2018年7月31日、JR小倉駅前で運営する百貨店「コレット」から撤退することを発表しました。撤退の背景には何があったのでしょうか?
ここでは井筒屋「コレット」撤退の理由と、株価の動きについてみていきたいと思います。
目次
井筒屋「コレット」撤退の理由とは?2年連続の赤字。北九州都心開発の家賃交渉決裂へ。
井筒屋は2019年2月28日に「コレット」から撤退します。「コレット」の2018年2月期の売上高は約103億円でしたが、純損益は2,300万円と2年連続の赤字。近隣の商業施設「アミュプラザ小倉」などとの競合や、福岡への買い物客流出で、厳しい状況が続いていました。
井筒屋は経費削減のため、北九州都心開発と家賃交渉を進めてきましたが、交渉は難航し、決裂。将来的な収益改善の見通しが立たなかったことから、撤退を決めたと見られています。
「コレット」は商業ビル「セントシティ北九州」のテナントとして2008年から運営を開始しています。「コレット」の後に入る運営会社は未定となっています。
井筒屋「黒崎店」「山口井筒屋宇部店」も閉店へ。特別損失計上で2019年3月期当期純利益は未定へ修正。
井筒屋は「コレット」からの撤退のみならず、黒崎店2を2019年5月31日、山口井筒屋宇部店を2017年12月31日で営業終了することも決定しました。約34億円の特別損失を第二四半期で計上する見込みとなっています。
井筒屋の従来の2019年3月期連結決算見通しは、経常利益が前期比▲28.7%の4億円、当期純利益が前期比▲70.4%の2億円でしたが、今回の営業終了をうけて、通期の当期純利益を未定に修正しています。
井筒屋の売上高は9期連続の減収、経常利益は7期連続の減益と厳しい状況が続いていましたが、今回の営業終了で更に悪化していく可能性が高いです。
井筒屋2018年8月以降株価上昇の可能性は?再度年初来安値を試す展開へ。
井筒屋の2018年7月31日の株価は前日比+2円(0.6%)の331円で取引を終了しています。井筒屋の営業終了及び決算修正発表は15時であったため、株価への影響は明日以降となります。決算修正の影響は大きそうです。以下は井筒屋の日足チャートです。
2018年の井筒屋の株価は下降トレンドとなっており、7月6日には299円の年初来安値を付けています。そこからの上昇を試していた段階ですが、今回の発表を受けて再度年初来安値を試す形になると思われます。
テクニカルには3本の移動平均線は下向きとなっており、25日移動平均線(緑色)が上値の抵抗となっていることから、下落に向かいやすいチャートとなっています。
井筒屋2018年8月以降株価上昇の可能性まとめ
井筒屋は「コレット」含む3店舗の閉鎖を発表し、2019年3月期決算の当期純利益見通しを未定としました。2018年8月1日以降株価への影響がありそうで、要注意です。
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