2018年1月に富士フイルムのゼロックス買収が決定したものの、5月はゼロックスが一方的に買収提案を破棄し、状況は進展していません。ゼロックスは入札によって買い手を探す意向を表明していましたが、こちらも動きがなく、ゼロックスは苦境に立たされています。
ここでは富士フイルムの株価の動きについて、みていきたいと思います。
目次
ゼロックス2018年第二四半期決算減収減益で苦境。単独での再建は可能か?
ゼロックスの2018年第二四半期(4月~6月)決算は減収減益となり、苦しい状況が続いています。ゼロックス大株主2名の反対で、富士フイルムの買収提案を5月に一方的に破棄した後、売却に向けた入札手続きを進める方針でしたが、現時点では手続きは進んでいない模様です。
ゼロックスは単独での再建を目指しますが、主力事業である事務機器の販売は低迷しています。富士フイルムとのすみわけも解消し、今後競合関係となる可能性があります。
市場ではゼロックス単独での再建は困難との見方が広がっており、何らかの支援策が必要になりそうです。一部事業の身売りも含めて、今後の動きに注目が集まります。
富士フイルム、ゼロックス買収破棄で株価上昇へ。年初来高値更新に向けて上昇継続するか?
富士フイルムはゼロックスから一方的な買収合意破棄を受けて、訴訟対応も行っていますが、条件を引き上げてまでゼロックスを買収する意向を示しています。ゼロックスの買収が今後の成長に不可欠ではないという考えです。
富士フイルムの株価は、ゼロックス買収の可能性が少なくなったことで、上昇に向かっています。ゼロックス買収が発表された2018年1月には株価は大きく下落しましたが、買収発表以前の水準まで戻しつつあります。以下は日足チャートです。
7月27日の株価は前日比+17円(+0.4%)の4,664円で取引を終了しています。テクニカルには7月に入って株価は上昇を開始し、3本の移動平均線は上向きとなっています。短期移動平均線と長期移動平均線がゴールデンクロスを完成し、上昇に向かいやすいチャートとなっています。
6月8日高値4,375円、4月27日高値4,420円、2月28日高値4,553円を突破し、1月10日に付けた年初来高値4,838円に向けて上昇しています。このまま上昇を継続できるのか注目です。
富士フイルム2018年8月以降株価上昇の可能性まとめ
富士フイルムのゼロックス買収は可能性がなくなったわけではありませんが、交渉がすぐに纏まることはなさそうです。ゼロックスの株主は引き続き強気姿勢で、単独での再建を狙っていくと思いますが、厳しい状況は続きそうです。
富士フイルムの株価は上昇に向かっており、年初来高値更新となるか注目です。
<こんな記事も読まれています>
⇒【東日本銀行、業務改善命令。その詳細とコンコルディアFGの株価への影響とは?】
⇒【ヤマトホームコンビニエンス引越し料金水増し請求。株価への影響は?】
⇒【ファミマ、ドンキとのコラボ店好調。株価上昇の可能性は?】
この記事へのコメントはありません。