百貨店5社配送料値上げでカルテル、独占禁止法違反で課徴金命令へ。高島屋、近鉄百貨店、阪急阪神百貨店、京阪百貨店、そごう・西部。株価や業績への影響は?大丸松坂屋百貨店は自主申告で処分対象外。
公正取引委員会は大手百貨店5社に対して、商品の配送料値上げに関してカルテルがあったとして、独占禁止法違反で課徴金支払いを命じたことが明かになりました。
ここではカルテルの詳細や理由についてみていきたいと思います。
目次
百貨店5社(高島屋、近鉄百貨店、阪急阪神百貨店、京阪百貨店、そごう・西部)の配送料値上げカルテルの詳細、課徴金の金額とは?
配送料金値上げのカルテルに関与したとされるのは、高島屋、近鉄百貨店、阪急阪神百貨店、京阪百貨店、そごう・西部の5社です。大丸松坂屋百貨店も関与もありましたが、公正取引委員会の調査開始前に自主的に申告したため、今回は処分対象外となりました。
公正取引委員会は2017年7月から各社に立ち入り検査を実施して調査を進めていました。今回は5社に対して、約1億9,0000万円の課徴金支払いと排除措置の方針を固め、2018年7月18日に各社に通知しています。
カルテルは2015年、人材不足によって物流・配送業界から配送料金の値上げを求められたことを受け、お中元・お歳暮の全国一律の配送料金を値上げすることに合意。2016年から各社横並びで値上げに踏み切ったとされています。
高島屋・近鉄百貨店、配送料値上げカルテルによる株価や業績への影響とは?
今回のカルテルで独占禁止法違反の対象となった5社のうち、上場しているのは高島屋、近鉄百貨店の2社です。
高島屋の2018年7月18日の株価は、前日比+2円(+0.2%)の931円で取引を終了しており、カルテルによる影響は見られていません。
近鉄百貨店の7月18日の株価は、前日比▲20円(▲0.5%)の3,995円で取引を終了しており、こちらもカルテルによる影響はなさそうです。
今回5社が支払う課徴金合計は約1億9,000万円で、高島屋の2019年2月期の純利益見通し185億円、近鉄百貨店の2019年2月期の純利益見通し36億円と比較すると、影響は軽微であると言えるでしょう。
百貨店5社配送料値上げでカルテル、独占禁止法違反で課徴金命令まとめ
2017年7月頃からカルテルの疑いで公正取引委員会は立ち入り調査を実施し、1年かけて大手百貨店5社に対して課徴金支払いと排除措置を命じました。
今回対象となった百貨店は消費者として利用する人も多いと思います。カルテルは消費者の利益を損なう行為となりますので、今後は健全に企業運営されていくことを期待します。
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