富士フイルムは2018年1月にゼロックスの旧経営陣とゼロックスの買収で合意していましたが、ゼロックスの大株主が買収計画に反対したことにより、ゼロックス側から一方的な買収撤回通告がありました。
その後富士フイルムは買収撤回は契約違反として、ゼロックスを提訴。ゼロックスはこの問題以降特にコメントはしていませんでしたが、富士フイルムと対抗して今後アジア市場に参入していく方針を明らかにしました。
ここではゼロックスと富士フイルムの問題、富士フイルムの株価についてみていきたいと思います。
目次
ゼロックス、アジア市場参入で製品販売へ。富士フイルムとの提携解消。買収撤回の裁判の行方は?
ゼロックスは2018年6月25日、富士フイルムの小森会長に書簡を送付し、今後アジア地域での自社製品の販売を行うことを通知しました。従来までは両社が出資する子会社富士ゼロックスが、アジア向けの販売を担当していましたが、ゼロックスの書簡によれば今後は単独で製品の販売を行っていく方針のようです。
またゼロックスはその書簡にて、買収契約撤回となったのは、富士フイルムの会計の問題とし、富士フイルム側に非があることを強調しています。富士フイルムは書簡の内容については想定の範囲内とし、法廷を通して争っていく姿勢を崩していません。
協力関係にあり一度は買収に合意した両社の関係が、今後裁判を通して争うという泥沼の関係になる可能性が高くなっています。
富士フイルムの株価への影響は?ゼロックス買収撤回とアジア市場参入。
富士フイルムの株価の推移を日足チャートでみていきましょう。株価は3ヶ月以上4,060円~4,420円のレンジで推移しており、方向感が無くなっています。現在の株価は10日(ピンク色)・25日(緑色)・75日(水色)の3本の移動平均線の下に位置しており、下落方向に向かいやすい状態となっています。
ゼロックス買収発表後、株価は大きく下落し、買収撤回や今回のゼロックスアジア参入に対してはほぼ反応していません。投資家は富士フイルムのゼロックス買収を否定的に捉えていたと考えることもできます。
今後の値動きについてはまずボックスをどちらにブレイクしていくのか注目です。ゼロックスとの買収交渉や裁判は長期化することが予想され、なかなか株価が上昇する材料問うよりは、ネガティブなニュースになる可能性の方が高いかもしれません。
ゼロックス、富士フイルムとの協力解消しアジアで製品販売まとめ
富士フイルムはゼロックスのアジア参入については否定的で実現性は低いと見ています。ただ交渉が泥沼化している現在では、経済合理性を無視して強引に参入してくる可能性も否定できず、短期的には両社と富士ゼロックスの業績にマイナスの影響を与えるかもしれません。
この問題はまだまだ長期化しそうですので、引き続き注目していきたいと思います。
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