2018年6月11日、三菱マテリアルは品質不正問題の責任を取るため、社長の交代と役員報酬の一部返上を発表しました。
ここではその詳細と業績・株価に与える影響をみていきたいと思います。
目次
三菱マテリアル品質不正・改ざん問題で社長交代、役員報酬返上。直島精錬所所長は更迭へ。その詳細とは?
三菱マテリアルは2018年6月8日、直島製錬所がJIS認証の取り消し処分を受けたことを発表しました。今までは品質不正問題はグループ会社で発生したものと思われてきましたが、その発表により本体にも不正があったことがわかりました。
これら一連の責任を取るため、三菱マテリアル竹内章社長は6月22日の株主総会後に辞任をし、次期社長には小野直樹副社長が就任することを発表しました。竹内社長は代表権のない会長に就任します。
また直島精錬所での不正問題を受けて、鈴木康信専務執行役員、酒井哲郎執行役員の月額報酬を7月からの3ヶ月間、それぞれ30%、10%減額することも発表しました。池沢広治直島精錬所所長は6月15日付けで更迭されます。
三菱マテリアル品質不正・改ざん問題による業績への影響は?決算見通しの詳細は?
三菱マテリアルは2018年6月8日のプレスリリースにおいて、直島精錬所における品質不正問題、JIS認証取り消しによる業績への影響は軽微であると発表しました。
三菱マテリアルの2019年3月期決算見込みは、売上が前期比+3.8%の1兆6,600億円、当期純利益が前期比+1.2%の350億円を見込んでいます。
今後の影響次第は業績の下方修正の可能性は否定できませんので、引き続き三菱マテリアルの動向には注目です。
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三菱マテリアル品質不正・改ざん問題による株価への影響とは?日足チャートテクニカル分析による今後の値動き予想は?
三菱マテリアルの6月11日の株価は前日比+5円(0.2%)の3,190円で引けており、取引中に発表した社長交代のニュースに対しての反応は限定的でした。
以下は三菱マテリアルの日足チャートです。
2017年末から下降トレンドが継続しており、2018年5月30日には2,992円の安値を付けています。
現在の株価は5月30日安値からの反発を試しているところですが、75日移動平均線(水色)に上値を抑えられており、下降トレンドが継続する可能性があります。
まずは現在株価が位置する25日移動平均線(緑色)を維持し、75日移動平均線を上抜けることができるかがポイントになってきます。
25日移動平均線を割り込むようだと、5月30日安値2,992円が視野に入り、そこを割るようだと大きく下落する可能性があるので、要注意です。
三菱マテリアル品質不正・改ざん問題で社長交代、役員報酬返上へまとめ
ここのところ大手企業による品質不正問題が相次いでいます。
三菱マテリアルでは業績への影響は軽微としていますが、株価は上昇を妨げる要因となっています。
株価は更なる安値を探る展開となるのか、注目です。
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