4208 宇部興産は2018年6月7日、検査データを改善して不正に集荷していた問題に関する調査報告書を公表しました。
ここではその詳細と業績や株価に与える影響をみていきたいと思います。
目次
宇部興産、品質検査の不適切行為の詳細とは?対象商品数や改ざんが行われた時期とは?
宇部興産はポリエチレン製品の強度に関するデータを改ざんしたり、生コンクリートに届け出と異なる山地の原料を使用するなどの不正が明らかになっていましたが、本日発表した調査報告書では、グループ内6社で合計24製品で不正出荷を行っていたことがわかりました。
検査データの改ざんなどの不正は1970年代から行われていた可能性があり、品質を軽視するような風土が過去からできていたことになります。
宇部興産、品質データ改ざんによる社内の処分とは?業績への影響は?
宇部興産は調査報告書の内容を発表するとともに、今回の問題に対する経営責任明確化のため、山本社長は6月の月額報酬を全額返上し、その他の役員についても30~60%減額することを6月6日の取締役会で決議したと発表しました。
今後不正があったグループ会社役員についても同様の処分を行う予定とのことです。
今回の不正行為による業績への影響は発表されておらず、現時点では軽微と見られていますが、会社の信頼を揺るがす問題のため、今後の取引や商売に影響が出る可能性は高いと思います。
宇部興産の2019年3月期の決算見通しでは、当期純利益は前期比▲3.7%の305億円を見込んでいます。
⇒【PERの詳細を解説】
⇒【PBRの詳細を解説】
宇部興産、検査データ改ざんによる株価の動きは?今後の影響や値動き予想は?日足チャートのテクニカル分析は?
検査データ不正の調査報告を発表した本日の宇部興産の株価は、前日比+10円(+0.3%)の3,185円と小幅に上昇して引けていますが、不正のニュースが伝わった5月29日以降、株価は大きく下落しています。
以下は宇部興産の日足チャートです。
2017年夏以降、3,000円~3,500円レンジのボックス相場が継続しています。
現在の株価は75日移動平均線(水色)を下抜けしており、本日も75日移動平均線がレジスタンスとなって機能しています。
10日移動平均線(ピンク色)は25日移動平均線(緑色)、75日移動平均線それぞれとデッドクロスを完成しており、下値を探る展開が継続しそうです。
まずは6月1日安値3,060円を維持できるかがポイントで、そこを下抜けると3月26日安値2,977円が視野に入ってきます。
空売り推奨の状況ですが、75日移動平均線や大きく窓開けして下落した5月30日高値5,140円を上抜けるようですと、下落調整が終了する可能性が高くなります。
まとめ
最近不正に関する問題がニュースになることが多いですが、宇部興産も1970年代から品質不正が行われており、市場に衝撃が走っています。
株価は長くボックス相場となっていますので、今回のニュースをきっかけにした方向にブレイクするのか注目です。
今後業績に影響を与える可能性がありますので、注視していきましょう。
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