スルガ銀行が公表済みの2018年3月期を下方修正するという異例の措置を検討している模様です。
ここではその金額や理由、今期決算や株価への影響をみていきたいと思います。
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スルガ銀行、不正融資問題で貸倒引当金積み増しへ。前期2018年3月期決算を100億円程度修正へ。不動産向け融資全般で不正か?
スルガ銀行は2018年5月15日に、2018年3月期決算を公表済みですが、ここにきて決算を下方修正するという異例の措置を検討していることがわかりました。
理由はシェアハウス向け融資だけでなく、通常のアパートなどの不動産融資においても、書類の改ざんを知りながら融資を実行していた可能性が高く、返済不能に備えた貸倒損失を積み増す模様です。
金額は100億円程度と見られています。
スルガ銀行の2018年3月期決算の当期純利益は前期比▲50.5%の210億円でしたが、更に半減した100億円程度の着地となる見込みです。
⇒【スルガ銀行決算発表を受けて株価大幅下落。シェアハウス不正融資の状況は】
スルガ銀行、不正融資問題で前期決算下方修正。その理由とは?問題の実態が把握できていない可能性が高く、金融庁の行政処分は決定的か?
スルガ銀行の不正融資問題は、シェアハウスのみならず、他の不動産融資にも波及してきています。
公表済みの決算を修正するのは極めて異例であり、スルガ銀行が実態を把握せずに融資を実行したことを表しており、スルガ銀行に対する市場の不信感は増すでしょう。
決算発表時の下方修正の際にも、書類は改ざんされており、何を根拠に金額を算出したのだという疑問は残っていました。
今回追加で100億円の下方修正とのことですが、この金額も何を根拠に算出しているのが、現時点では納得性に欠けます。
今後追加での下方修正が起こってもおかしくないと思われます。
⇒【損益計算書の見方を解説】
⇒【貸借対照表の見方を解説】
スルガ銀行、不正融資問題で決算下方修正。2019年3月期決算や株価への影響は?
スルガ銀行は2019年3月期決算の当期純利益は、前回発表の240億円で据え置くと見られています。
しかしながら、今回の異例の下方修正を考えると、不動産融資の実態を掴めているとは到底思えず、追加での下方修正が出てきてもおかしくない状況です。
スルガ銀行からの発表を待ちたいと思います。
次に株価の動きを見ていきましょう。
以下はスルガ銀行の日足チャートです。
2018年5月30日には1,181円と前回安値である4月19日の1,200円を下抜けしています。
前期決算下方修正のニュースを受けた本日6月4日は、株価の反応は見られていませんが、引き続き下値を探る展開は継続しています。
今後追加での可能修正の可能性や、金融庁による行政処分を考えると、まだまだ株価が下落する余地はありそうです。
テクニカルには、上昇に向かうには25日移動平均線(緑色)が位置する1,380円近辺を上抜けする必要がありますが、現時点ではそこまで回復する材料もなく、材料が出尽くすまで時間を要しそうです。
⇒【移動平均線の詳細を解説】
まとめ
スルガ銀行の不正融資問題は、シェアハウスだけでなく、他の不動産融資にも派生してます。
まだ正式な発表があったわけではありませんので、スルガ銀行の発表を待ちたいと思いますが、内容次第では更なる下方修正を予想されるものとなるかもしれません。
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