神戸製鋼所が検査証明書などのデータを改ざんしていた問題で、近日中に東京地検特捜部と警視庁による家宅捜索が実施されることとなりました。
今回の問題の詳細や、業績、株価に与える影響をみていきたいと思います。
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神戸製鋼所の品質検査データ改ざん。その詳細とは?
神戸製鉄所は2017年10月に、アルミなどの製品の検査証明書データの改ざんを行い、製品出荷をしていたと発表しました。
同社が過去1年間に集荷していた製品の自主点検及び緊急品質監査を実施したところ、不正があったことが判明しました。
同社の製品は600社以上に提供されており、外国企業もあることからアメリカ司法当局も調査を進めている状況です。
2018年3月に発表した最終報告書では、不正は1970年代から行われ、役員経験者5人を含めた40人以上が不正を認識していたとのことで、大きな話題となりました。
⇒【スルガ銀行のシェアハウス不正融資問題が株価や業績に与える影響を解説。】
神戸製鋼所の品質検査データ改ざん、業績への影響とは?
2018年4月27日に発表した2018年3月期決算は、当期純利益が632億円と3期ぶりに黒字転換しました。
品質検査データ改ざんによる影響は約120億円です。
また同日発表した2019年3月期決算見通しは、当期純利益が前期比▲28.8%の450億円でした。
品質検査データ改ざんによる影響は弁護士費用などで約100億円を想定しています。
⇒【決算発表の詳細を解説】
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神戸製鋼所の品質検査データ改ざん、家宅捜索の株価への影響は?
以下は神戸製鋼所の日足チャートです。
不正発表があった翌営業日の2017年10月10日は値幅制限いっぱいのストップ安張り付きとなり、翌日以降も大きく窓開けして下落、10月16日には774円の安値を付けました。
不正が発表される前の10月6日の終値は1,346円で、そこからの下落率は5営業日で▲42.5%となりました。
その後株価は持ち直しつつありましたが、家宅捜索が発表された2018年5月23日は前日比▲32円(▲2.7%)の1,159円と売り込まれています。
3月26日安値978円以降、株価は全ての移動平均線を上抜けし、10日移動平均線(ピンク色)、25日移動平均線(緑色)、75日移動平均線(水色)それぞれがゴールデンクロスを完成した良い形となりましたが、本日の下落で10日移動平均線、25日移動平均線を割り込んでいます。
75日移動平均線がある1,120円近辺で持ち直すことができるのか注目で、それを下回るようだと再度下値を模索する展開になると思われます。
まとめ
神戸製鋼所の品質検査データ改ざん問題は世間に衝撃を与えました。
業績への影響も2期連続で100億円を超える見込みで、イメージダウンも含めて影響は大きいです。
株価は徐々に上昇トレンドを形成していましたが、家宅捜索発表により今後の方向性が見極めにくくなってきました。
まずは75日移動平均線を維持できるのか注目していきたいと思います。
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