EMI Music Publishing子会社化を発表したソニーは、同日2018年5月22日に2018年度~2020年度3カ年の中期経営計画を発表しました。
その内容についてみていきたいと思います。
目次
ソニー2018年度~2020年度3カ年の中期経営計画の内容詳細とは?重要視する経営指標とは?
2018年4月に就任した吉田社長体制で初めての中期経営計画が示され、中長期的な成長方針を強調した内容となりました。
短期的な利益水準にとらわれないとの考えから、営業利益目標は提示しませんでした。
その代わりに最も重視する指標としては営業キャッシュフロー(CF)とし、3年間の累計で2兆円を目標にすることを発表しました。
2兆円の営業CFのうち、約1兆円を設備投資に回し、残りの1兆円は戦略的な投資を最優先としながらも、財務体質強化や株主還元にも振り分ける方針を示しました。
またROEも10%以上を目指します。
EMI Music Publishing子会社化もあるように、音楽や動画などのコンテンツ事業は収益拡大のチャンスが大きいと判断し、積極的に取り組んでいく方針です。
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ソニー中期経営計画による株価への影響は?下落の要因とは?
中期経営計画発表後の株式市場の反応は冷たく、発表同日の2018年5月22日は前日比▲106円(▲2.0%)の5,282円で引けました。
ザラ場では一時、前日比約▲4%安まで売られる場面もありました。
翌日の5月23日も前場終了時点で前日比▲107円(▲2.0%)まで売り込まれています。
売り込まれた理由の一つには、中期経営計画が保守的であることがあげられます。
2021年3月期の主力4事業で営業利益目標を示しましたが、下限の合計は6,380億円と2018年3月期の6,435億円を下回る内容です。
この保守的な内容に市場はネガティブな反応を示している状況です。
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ソニー中期経営計画を受けた日足チャートの値動きは?テクニカル分析は?
以下はソニーの日足チャートです。
赤線で示した通り、株価は持ち合いのボックス相場の様相を呈しており、ここ3ヶ月はおおむね5,000円~5,500円のレンジとなっています。
2018年5月18日には5,460円の高値を付けて再度上値を試す展開も、その後は売り込まれ、ボックスの下限に近付く水準となっています。
今回の中期経営計画では具体的な数値目標が見えづらかったことからも、成果として評価をするには時間を要する可能性があります。
それを考慮すると、株価の上昇にも時間を要する可能性が高いでしょう。
ひとまずは5月1日安値5,038円と、ボックスのレンジ下限である5,000円近辺を維持できるのかが注目で、これらを下抜けるようだと下値を模索する展開となりそうです。
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まとめ
吉田新社長によって示された中期経営計画が今後どのように実現されていくの、時間をかけてみていく必要があります。
株価はレンジ下限に向かっている厳しい展開となっていますので、下値が維持されるのか、下値を抜けて下降トレンドとなるのか注目です。
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