ゼロックス買収問題で渦中の富士フイルムホールディングスが、2018年3月期決算を発表しました。
当期純利益は前期比+7.0%の1,407億円でしたが、富士ゼロックスが手掛けるドキュメント事業が大幅減益と苦しい内容でした。
ここでは富士フイルムの決算の内容と株価の動きをみていきたいと思います。
富士フイルム2018年3月期決算、営業減益。富士セロックス苦戦が主要因。
富士フイルムの2018年3月期決算の当期純利益は前期比+7.0%の1,407億円でしたが、営業利益は前期比▲24.1%の1,307億円で、有価証券の売却益などの営業外収益で増益を確保した形と苦しい内容でした。
営業減益の主要因は、富士ゼロックスが手掛けるドキュメント事業が、リストラ費用の計上などで前期比▲687億円(▲83.1%)の140億円となったことです。
今後ゼロックスの買収交渉を継続していく方針を表明しましたが、事業の立て直しが必要となっています。
⇒【損益計算書の見方を解説】
⇒【貸借対照表の見方を解説】
富士フイルム2019年3月期見通し増収減益見込む。
2019年3月期見通しは、売上高は前期比+3.1%の25,100億円、営業利益は前期比+53.0%の2,000億円、当期純利益は前期比▲7.6%の1,300億円を見込みます。
富士ゼロックスはリストラ費用の一時的要因からの回復予想となっていますが、複合機市場は縮小する見込みとなっており、厳しい状況が続きます。
⇒【売上総利益率、売上高営業利益率、売上高経常利益率を解説】
富士フイルム決算発表、株価への影響は?
富士フイルムの2018年3月期決算は、1月に発表した見通しとほぼ同じ内容でサプライズはありませんでした。
しかし、2019年3月期決算が減益予想であること、ゼロックス買収への目途が立たないことから、上値は重い展開となることが予想されます。
決算発表は2018年5月18日引け後に発表されたため、当日の株価への影響はありませんでしたので、週明け5月21日の値動きに注目です。
テクニカルには75日移動平均線(水色)が上値抵抗線となっており、ここを上抜けるには材料が必要な状況です。
⇒【移動平均線の詳細を解説】
まとめ
引き続き市場の注目はゼロックス買収で、現時点では交渉は長期化しそうです。
富士フイルムはゼロックスが一方的に撤回する権利は無いとして、法的措置も辞さない姿勢で、今後の動向に注目したいと思います。
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